こちらも懐かしいスライドです。
4月に血管肉腫で亡くなったサガンちゃんの
若かりし頃。
プルーストくんと違ってモデルの才能は皆無
だったようです。
じっとしていられないでじゃれついてくる、
コマンドが効かない、この1回の撮影で担当者も
懲りたのか、声がかかることはありませんでした。
でも撮影現場では皆に愛嬌振りまいて人気者では
あったのですが…
これも以前にご紹介した「黄金比」に関連したスライドです。
スライドの左右の女性、どちらが好みでしょうか?
民族、文化によっても異なるでしょうが、日本においては
向かって左を支持する方が多いのではないかと想像します。
縦の基準は、黄金比に最も近い反面、横の比率では
モデルや女優はその比率が理想とはかけ離れている。
要因は眼が大きすぎるのだという。
わかるような気がしますね。
マンガを見れば明らかですよね。
アイメイク関係、睫毛(まつげ)需要などからも
「目力(めじから)」を思い知らされます。
顔の黄金比(簡略版)
髪の生え際から眉の下縁まで、眉の下縁から
鼻下まで、鼻下から顎先までが1対1対1。
目の幅と目と目の間とが1対1対1。
ただし、それは美人の条件であって、
かわいい系は1対1.1対1くらいが良い。
話は逸れるが、精神物理学の分野で黄金長方形を
研究素材にした1800年代のドイツの研究者
(物理学者、哲学者、人類学者、心理学者)である
グスタフ・フェヒナーの有名な1876年の実験がある。
縦横の比率の異なる10個の長方形を並べて被験者に
どれが最も美的に快いかを選んでもらったもの。
結果は35%が黄金比率の長方形を選択し、
40%はこれに近い長方形を選択した。
一方で黄金比の長方形が最も良くないと答えた者は
1人もいなかったというものである。
しかしながら、現在でも黄金比率は美しいのか、
美しいならばそれは何故かに対する答えは未だに
得られていない。
「なぜ美人ばかりが徳をするのか」ナンシー・エトコフより
Eラインは皆さんご存じですね?
アメリカの矯正歯科医師であるロバート・Rickettsが
1954年に美の基準として提唱したもので、
オトガイ部(下顎の先端突出部)と鼻先を結ぶ線の
やや内側に上下の口唇が位置する横顔が理想的
だとしたものです。
確か、日本成人歯科矯正学会がE-ラインビューティフル大賞
を選定していたようですが、現在はどうなのでしょう?
シンメトリーについても先に紹介した
「なぜ美人ばかりが徳をするのか」に面白い記載がある。
「動物の世界ではシンメトリーは高度な発達、寄生虫への
抵抗力、生存能力、生殖能力を表す信号だが、かならず
しも節操や忠実さ、相手にたいする献身にはつながらない」
「動物学者アンダーズ・モラーと行動生態学者ランディ・
ソーンヒルは、四一の種について六十二回にわたる調査を
行い、人間を含む七八パーセントの種で、シンメトリーの
度合いが交配の成功率や性的魅力に結びつくことを発見した」
意味するところは、是非本をお読み下さい。
身近なところにもシンメトリーは沢山ありますね。
個別のパーツを考える代表として、鼻を選びました。
目、鼻、口、耳などなど。
鼻だけとっても、高さ、長さ、鼻背の段差、鼻の穴の
形や大きさ、鼻翼(小鼻)の大きさなど奥は深いです。
左の鼻の形を見てみましょう。
日本人と西洋人で、「鼻の形」にも違いがあります。
鼻尖部の軟部組織が厚いため、いわゆる団子鼻が多い、
眉間のアーチが低いなどの日本人などアジア人の
特徴はあれども、全体のプロポーションは似たような
物のはずです。
程度差はあれども、鼻根部のくぼみがないのは違和感を
覚えてしまいます。
私はよく患者さんに「マジンガーZ」の鼻にはならない
ように、と伝えているのですが、そろそろ
ジェネレーションギャップで伝わらないようです。
そもそも患者さんの大半が女性ですから、イメージが
伝わらないのは当たり前かも知れませんね。
https://hobby.dengeki.com/news/249561/
鼻の形もいろいろです。
最近思うのですが、年をとるというのも悪くはない
かも知れません。
1.老眼が進み、自分で見たくない物は見なくて済む
2. エネルギー切れで物事を単純化したがる。
コンピューターのように0と1の2進法が楽。
オプションを考えるのが億劫になる。
だからか、私は若い頃は団子鼻を多少気にはかけていた
ものの、今や全く気にしないでいられます。
受け入れた方が楽なんです。
昔、先輩医師に言われた「鼻」にまつわる話を今でも
覚えています。
真意の程はともかく
「鼻を気にする人にはナルシストが多い」
「鼻の形に対する要求は高度なことが多い」
だから私は鼻には手を出さないことにしたと言う話です。
なるほど、と思うところもあります。
鼻にまつわる話をもう一つ思い出しました。
シカゴにはアメリカの第16代大統領であったリンカーンの
墓があり、その墓の前には銅像が設置されており、
その鼻の部分だけ変色しているそうです。
その理由は「鼻を触ると幸福が訪れる」という
言い伝えからだそう。
どうなんでしょうね?
実は、これらは医療者だけではなく、一般の方もこれらを瞬時
(一説によると0.48秒)に判断しているはずです。
それをどう言葉に表すか(問題点として指摘)という違い
なのだろうと思います。
そして、それらに対してどのような対処法があり、どれが
効果的、どれが経済的などを医療者であれば追加して
考えているのだろうと思います。
現実理想はいつも異なるものです。
但し、理想とするものも場合によっては時代や文化によって
変化するものだから、私のように社会に疎いのも頂けない。
自慢ではないが、若いアイドルはほぼ100%知らない。
最近はテレビも映画とラグビーなどのスポーツ以外はほとんど
見ないのだから解るわけがない。
どこから始めるか?
どこを目指すか?
比較的平均的な考え方なのかなと思うのですが
いかがでしょうか?
ナチュラルでやりすぎないのが好みです。
先ずはわかりやすいところから手を付けましょう。
1.表面の凸凹を解消
2.表面の色ムラを解消
一般的には、イボやホクロを目立たなくさせて
目立つシミを対処することだと思います。
受診に際しては是非とも
・自身が考える自身の問題点の把握と優先順位
・治療に際して、どこまでの治療を許容・受諾可能か?
・初期治療だけではなく、メインテナンスも考える
(予算や時間、手間)
は考えておくとよいと思います。
次からは実際の症例を見てみましょう。
必ず治療には個人差があることをご承知下さい。
少し疲れた感じを解消したいというご要望。
イボやしみは目立たないので、フィラー
(レディエッセを頬に1本、鼻唇溝にヒアルロン酸製剤を1本)
注入し、同日に前額、眉間、目尻にボトックスを合計で
50単位注入しました。
(合計15万円税別:当時の値段)
施術後のメイクを軽くした後の状態です。
フィラー部分はすでに変化していますが、ボトックスは
まだ効果はでていない状態です。
2週間後にはこんな感じに変化していました。ボトックスの効果も良好です。
特に頬と前額、眉毛の形の変化で印象はかなり異なります。
施術前後で比較すると、メイクの有無の差はありますが、元気そうに見えませんか?
以前にもお見せしましたが、ついでに私も変身しました。
レディエッセ5本を使った大判振る舞いです。
因みにこれは無料です。
今ならここまではしないだろうという気がします。
少しやり過ぎた感がします。
特に頬がパンパンでまるでアンパンマン状態です。
年齢とともに、好みも変わっていきます。
高田教授が指し示す美しさの基準〔JHM〕
美容治療の考え方6へ続く…
医療法人社団 精華会
ミルディス皮フ科 村上 義之