GO-VC(両親媒性ビタミンC)の魅力

東京都足立区北千住ならびに神奈川県横浜市西区
にありますミルディス皮フ科の村上です。
今回は当院のオリジナル化粧品である
フラーレンpremiumローション100ml
(旧フラーレンGO-VCローション)
100ml ¥6,600(税込)
当院HPのオンラインショップからご購入頂けます!
主要成分である
GO-VC(グリセリルオクチルアスコルビン酸)
についてのご紹介です。
ビタミンC、私も大好きです!
内服も塗る方も。
化粧品成分としても多機能で
1)抗酸化
2)保湿
3)抗シワ、瘢痕修復
4)メラニン産生抑制、メラニン還元作用
などが知られています。

GO-VCは、アスコルビン酸にグリセリン(保湿成分)
と脂肪族アルコールのオクタモール(抗菌成分)
を結合させた両親媒性プロビタミンCです。
従来のビタミンC誘導体の欠点を改善すべく
開発された成分なのです。
両親媒性とは、表題の図でわかるように
水溶性と脂溶性の両方の性質を併せ持っている
ということ。
皮膚は最外層の角質層をもった表皮、そして真皮で構成されています。
この角質層が皮膚のバリア機能の大きな部分を占めています。
体内と外界を隔てているのが、生体表面にある境界であり、単細胞生物では細胞膜、人間を含めた
多くの脊椎動物では我々の皮膚のような最外層の構造が境界としてのバリア機能を担っています。
特に皮膚の最外層に位置する角質層の役割は、外的刺激からの防御と生体内の水分喪失を防ぐということでしょう。
角質層は表皮細胞が死んで硬くなったケラチノサイトと、その隙間を埋める細胞間脂質で出来ています。
よく煉瓦とその隙間を埋めるモルタルに例えられますよね。
この仕組によって角質層は同じ厚さのプラスチック並みの水の通しにくさを持っているとも言われます。
手に水を垂らしても、はじいてくれますよね。
ということは、水はその下には浸透しにくい。
女性の方ならよくご存じにように、油分たっぷりのメイクを落とす際にはオイルを使いますよね。
角質層で細胞の隙間を埋めている細胞間脂質という
油分を通り抜けるには、脂溶性が多少なりとも
有利です。
ビタミンCは抗酸化剤としても作用します。
その際、細胞膜も脂質からできていますので、
細胞内で作用するためには脂溶性であることが必要です。
のっけからダラダラと長くなってきてしまっています。。
編集者の突っ込みが入らないうちに、もう少し簡潔に
行きたいと思います。
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下記がGO-VCの機能・特徴のまとめです。
いくつか項目を抜き出して見てゆきたいと想います。
高い安定性
ビタミンCは安定性が低く、紫外線などの作用により
ビタミンC自体が活性酸素の一種に変化してしまう
可能性まであります。
その改善のため、実に多くのビタミンC誘導体が開発
されてきた訳です。
GO-VCもその一つです。
下記の実験スライドからはその安定性の優位性が
よく分かります。
保湿効果
先のスライドで示されていたように、従来の水溶性
ビタミンC誘導体は皮脂抑制作用から、肌がカサカサ
と乾燥しやすいため、ビタミンCに刺激性の少ない
優れた成分であるグリセリンを結合させて安定化
させたのがGO-VCです。
抗菌活性
GO-VCにはビタミンCに保湿効果の高いグリセリンと
オクタノールというアクネ菌を抑制する抗菌成分が
付加されています。
このオクタノールが脂溶性であることから、GO-VCが
両親媒性の性質を持ってもいます。
GO-VCが大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、カンジダ
に対して抗菌活性を示すことが確認されていますし、
アクネ菌に対する増殖抑制作用も認められるためニキビ
にも改善効果が期待されます。
線維芽細胞、コラーゲンの増加
ビタミンCの作用として線維芽細胞増殖作用があり、
その結果としてコラーゲンやヒアルロン酸なども増えます。
大学にいた頃、人の皮膚片をシャーレにおいて培養液を
入れて線維芽細胞培養して、さらにコラーゲンの実験に
移る際にビタミンCを添加していました。
その当時の私は、実験でのビタミンCと肌へのビタミンCの
作用が結びついていませんでした。
単に実験に必要な試薬の扱いでした。
想像力の欠如も甚だしい。
メラニン産生抑制
紫外線を浴びることでメラニン色素が作られ
(活発化)、表皮ならびに角層にメラニン色素が
蓄積することがシミの一因です。
アルブチンも美白剤として有名な成分ですが、
GO-VCはアルブチンの約1/10の少ない量でメラニン
産生を抑えてくれます。
赤み、ニキビの改善
ロボスキンアナライザーという肌診断機を用いた臨床試験に
おいても赤みの数、面積の減少という結果が得られています。
以前に、サリバチェッカーのご紹介の際に、
ブログ:だ液”を使った痛みのゼロのガン検査(Saliva Checker)
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今後の医療は、治療だけでなくより予防・未病といった分野が
発展してゆくだろうと思われます。
そして治療も対症療法から、より根本治療へと少しずつ
進んでゆくのだろうと期待もしています。
当院も今後は予防・未病に注力しつつ、
根本治療に繋がるであろう栄養療法を取り入れてゆきたい
と思っています。
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と書いています。
化粧品も塗ることによって疾患の予防に繋がることも多々あると
思います。
当院は皮膚科ですから、外用療法にも繋がる、化粧品には多少
のこだわりも持っていたいと思っています。
ブログ「開設18周年のご挨拶」
にも書きましたが、以下を大切にしたいと考えています。
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コンセプトは以下の3つ
・成分的にもシンプル(添加物が少ない)
・自分の基礎化粧品のラインに加えやすく低刺激
・抗酸化・抗炎症・抗糖化を目指す
できるだけ添加物は少なく、刺激も少ないことで
長期に安心して使用できます。
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そのためオリジナル商品においては守りと攻めのバランスを
考えて、発売後も少しずつ改良を加えています。
今回、旧フラーレンGO-VCローションが
フラーレンpremiumローション100ml
としてリニューアルされました。
EPCというビタミンEとビタミンCが含まれており、
このビタミンEが追加されることによって
酸化されたビタミンCを還元させて効果をさらに
発揮させたい
という願いを込めています。
この度、当院の新オリジナル商品として
ステムセルプレミアムセラム
(ヒト幹細胞培養液+トラネキサム酸)
を発売開始いたしました。
引き続き、アスタキサンチンゲルクリーム、
コウジ酸クリームを改良中です。
以前にも書きましたが
私自身、心身共に健康で長生きしたいと願っています。
そして、ちょっとだけ実年齢よりも若く見られたい。
痘痕(ニキビ瘢痕)だらけで、脂腺増殖症が多発
した自分の肌が少しでも健やかな状態に保てれば、
自分が気持ちいい。
当院のミッションは、
「皮膚科・美容皮膚科医療を通じて地域の
皆様の幸せに貢献する」
当院のビジョンは
「皆が心身共に健康で長生きし、自分らしく
輝いている社会」
と定めています。
誰しも、美と健康が結びつくと、うれしさは倍増します。
皆さんの肌の健康に当院の化粧品が役だって
くれれば幸いです。
次回は、「フラーレン」について書きたいと思っています。
GO-VC、フラーレンとアスタキサンチン、レチノールや
セラミド(アスタキサンチンゲルクリームに配合)
相互に関連しあっています。
続きはまた後日。。
当院のGO-VCを配合したオリジナル商品
フラーレンpremiumローション100ml
(旧フラーレンGO-VCローション)
100ml ¥6,600(税込)
当院HPのオンラインショップからご購入頂けます。
医療法人社団 精華会
ミルディス皮フ科 村上義之
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参考
・プロビタミンCの機能と応用:フレグランスジャーナル2015.9
・森 文子:日本皮膚科学会雑誌,125(4),800(2015)
