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院長ブログ

鉄不足、亜鉛不足を一度検査してみませんか?

2021年06月28日

糖質、タンパク質、脂質を三大栄養素と言いますが、これにビタミンとミネラルを加えたものを五大栄養素と言います。

現代は五大栄養素のうち、三大栄養素を充足しているが、残りのビタミン、ミネラルが不足した「新型栄養失調」の方が若い人を中心に増加していることが知られています。

日本ではカルシウム、鉄、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リン、銅、亜鉛、マンガン、ヨウ素、セレン、モリブデン、クロムなどのミネラルについて栄養所要量が示されています(日本人の食事摂取基準2020 年版)。

特にマグネシウム、亜鉛、マンガン、銅などは微量ですが人体に重要な役割を果たしますし、さらには人体では作られないため、食事などから摂取しなければならない必須栄養素と言えます。

今回は特に不足した方が多く、かつ比較的簡単に保険診療の血液検査で測定可能であり、皮膚科・美容皮膚科に関連が深い鉄と亜鉛についてお話したいと思います。

というのも、当院に通院して頂いている患者さんには美容治療に限らず、保険診療においても表面の皮膚の問題だけでなく身体の中から心身共に全身的に整えて頂きたいと考えています。
そして自分の人生を元気に生きて頂きたいと願っています。

そんな思いから、私は皮膚科医ではありますが、改めて分子栄養学や栄養療法というような分野を勉強し直しています。
自分も家族も、そして患者さんにも健康寿命を是非とも可能な限り延ばして、人生を思いっきり楽しんでもらいたい。
そして最後は「ピンピンコロリ」で周りの方に迷惑をかけることなく逝くのが幸せなのかな、と最近は強く思うようになりました。

少しでも多くの方に健康な状態で長生きしてもらいたいと思うのです。

そして皮膚のような見えるところから入っても構わないので、併せて身体の中の美容健康をも意識して頂きたいのです。
自分の能力はわきまえているつもりですから、本格的な病気の手前、いわゆる未病に近い予備軍の方々の支援ができればよいなと考えています。

皮膚と言えば“コラーゲン”
そのコラーゲンの産生には材料となるアミノ酸(タンパク質が分解されたもの)、ビタミンC、鉄、亜鉛が必要です。そればかりではなく血管にもコラーゲンは必要です。

今回の検査を機会にして、身体の中の細胞や栄養について少し意識してみませんか? 
意識し始めると、身体の中から整ってゆき、自然と表面の肌もきれいになってゆくのではないでしょうか?

当院としては、自分では気づいていない、何となく体調がよくない、でも健康診断では特に異常は指摘されない…
そんな方達の気づきのお役に立てるだけでも幸いです。

今からお話する鉄に関係するフェリチンや亜鉛の血中濃度なども一般の健康診断には含まれていません。

採血で検査項目に含まれるヘモグロビンなどが基準値内(あくまでも病気ではない基準値であって、よりよい機能を発揮できるための理想値ではありません)であれば、貧血はないと判断され、それ以上調べられることもなく終わってしまいます。

体内には亜鉛を必要とする酵素が300種類以上あるとされ、さらには細胞の増殖、分化、アポトーシスなど生体の恒常性維持に大切な役割を果たす生体にとっては非常に重要な必須ミネラルであるにも関わらず、こちらも検診などでの検査項目に含まれることは非常に稀です。

皮膚科は他科以上に亜鉛とは密接な関係があるとも言えるかも知れません。
今でも皮膚疾患外用剤の中に「亜鉛華軟膏、亜鉛華単軟膏」があり、傷の治りをよくする成分であることを日頃から意識させられています。

入局したての研修医時代には「皮膚粘膜症状の陰には亜鉛欠乏あり!」とも教わりました。
しかしながら、内服薬としては使用できるものがプロマックDくらいであり、それも平成23年(2011年)にようやく味覚障害においてのみ適応外使用が認められていたにすぎないので、皮膚科ではなかなか使用する機会もありませんでした。

それが2017年になってウィルソン病治療薬のノベルジン錠の効能・効果に低亜鉛血症が追加されましたので、治療に用いることができるようになりました。
こうした経緯もあり、皮膚科ではありますが、希望される患者さんには潜在的な鉄や亜鉛の欠乏状態の有無を検査させて頂き、不足分の栄養素の補充にお役に立てるのではないかと思い、この機会に開始することにいたしました。

治療は基本的には保険治療薬を使用しますが、保険での鉄剤の内服が胃腸障害で継続しづらい方などには、胃腸障害が少ない保険外ではありますがヘム鉄などのサプリメントもご紹介できる体制を次第に整えてゆきます。

MSDマニュアルより

潜在的鉄欠乏症・鉄欠乏性貧血について

どんな人にお勧め?
・生理を有する女性ほぼ全て(特に成長期にある12歳から18歳あたりの女性)
・爪、髪の毛の脱毛、口唇・口角・舌の炎症、皮膚の湿疹を繰り返す方など
・その他、下記の不定愁訴に思い当たる方

検査項目
・赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット
・赤血球恒数(MCV、MCH、MCHC)
・その他(網状赤血球、血清鉄、UIBC、フェリチン)

皮膚科・美容皮膚科の分野では脱毛症(薄毛、禿げ)や大半の女性が経験する肝斑(Melasma)というシミと鉄・亜鉛の欠乏との関連性を示唆する報告が数多く見られます(但し、関係性が明らかではなかったとの報告もあり、一定していません)。
さらには両ミネラルともに爪の変化を来しやすいこともよく知られています。

特に鉄欠乏性貧血では、匙状爪(スプーン・ネイル)という特徴的な爪の変形がよく知られています。

1日における食材中の鉄が10~15mgで、実際に吸収されるのは1mg程度とされています。
さらに糞便、尿、汗、皮膚や粘膜の細胞剥離などで1日に1mgの鉄が失われおり、表面上はバランスがとれたように見えますが、生理のある女性では1回の期間で約60mlの出血(鉄換算で30mg)があり、1ヶ月30日として1日平均で男性に加えてさらに毎日1mg(合計2mgで、男性の倍量)の鉄を失ってしまっていることになります。
そうしたことからかなりの女性が実際には潜在的鉄欠乏状態(隠れ貧血)にあると考えられています。

身体的成長と月経が重なる12歳から18歳あたりの女性では理想的な食事を摂取したとしても、鉄出納が負になり、どうしても鉄欠乏になってしまうとも言われています。
これは丁度、ニキビで皮膚科を受診される方が多くなる年齢層でもあります。

鉄欠乏の原因と分類

それではなぜ鉄欠乏状態となるのかというと、大きく分けると①鉄需要増加、②鉄供給の低下、③鉄喪失の3つが考えられます。
① 鉄需要増加(成長期、妊娠授乳女性)
② 鉄供給の低下(肉などの含鉄食材の摂取不足、吸収不良、ピロリ菌感染)
③ 鉄喪失(生理、消化管出血、婦人科疾患、汗、運動など)

検診などでの血液検査ではヘモグロビン値が12g/dl未満で貧血と判定し、治療が必要と考えられるHb値は10g/dl程度と一般的にはされています。
但し、Hb値が基準値内にあるから、鉄欠乏がない(鉄が充足している)わけでは決してありません。体内では鉄はヘモグロビン、ミオグロビン、フェリチン、含鉄酵素としてほとんどは化合物として存在していますが、鉄の欠乏は貯蔵鉄の減少から始まるとされています。

組織障害時は別として、血清フェリチンが貯蔵鉄を反映するとされています。この貯蔵鉄の減少時点から、不定愁訴などの症状が出始め、次第に強くなってゆくようです。潜在的鉄欠乏とは、「隠れ貧血」と言い換えても良いのかも知れません。

潜在的鉄欠乏(軽症):Hb値が基準値内(12g/dl以上)でフェリチン値が80ng/dl以下→貯蔵鉄の減少

潜在的鉄欠乏(重症):Hb値が基準値内でフェリチン値が30ng/dl以下→貯蔵鉄消失+血清鉄減少

鉄欠乏性貧血(軽症):Hb値が低下(10~12g/dl)でフェリチン値が20ng/dl以下→貯蔵鉄消失+血清鉄減少+赤血球遊離

鉄欠乏性貧血(重症):Hb値が低下(10g/dl以下)でフェリチン値が20ng/dl以下→貯蔵鉄消失+血清鉄減少+赤血球遊離+組織鉄減少

鉄欠乏による不定愁訴(思い当たる症状はありませんか?)

1.寝付きが悪い
2.疲れやすい、肩がこりやすい
3.湿疹が出来やすい
4.頭痛や頭重感がでやすい
5.風邪を引きやすい
6.髪の毛が抜けやすい
7.注意力・集中力が低下し、いらいらしやすい
8.神経過敏
9.歯茎からの出血、体に身に覚えのないアザが出来る
10.胸が痛む
11.体動時の動悸や息切れ
12.浮腫み
13.爪が変形し、割れやすい
14.食欲不振
15.口角炎、口唇炎、舌が赤くすべすべする
(*小川千登世 鉄欠乏性貧血 小児科診療 vol.67 2004など)

一般的に慢性の鉄欠乏状態では自覚症状は乏しいと言われます。
上記のように鉄欠乏には多彩な愁訴があり、「特徴的な症状には乏しいが、様々な不定愁訴に関係する」というような言われ方をします。

鉄不足による身体変化としては
・粘膜や皮膚の萎縮と機能低下
・様々な精神神経症状、易興奮性、集中力低下、頭痛
・運動機能低下
・小児では知能発達や身体発育の遅延、精神不安定、注意力散漫
・細胞性免疫の低下に伴う易感染性(感染に弱い)
・コラーゲン形成不全 など

鉄はタンパク合成の際の補酵素としてビタミンCとともに大切な役割を果たしています。だから肌のコラーゲンの合成にも必要だということです。

さらに、肌のシミなど皮膚老化の最大の敵は紫外線であり、紫外線によって発生する活性酸素です。
活性酸素にも過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重項酸素など多種あり、それらを消去するのにビタミンCやビタミンEなどの種々の抗酸化剤があるのを皆さんご存じだと思います。
人の皮膚にもカタラーゼという酵素があり、過酸化水素を除去してくれるのですが、このカタラーゼは含鉄酵素ですから、鉄欠乏となった有経女性はカタラーゼを十分に作れず、過酸化水素が除去されずに何らかの刺激で凶悪なヒドロキシラジカルに変換されて障害を起こしてしまいます。
女性が産後にシミが増えるというのも、妊娠に伴って赤ちゃんに鉄を奪われて鉄不足が顕著になることとも無関係ではないと思われます。

また、鉄は脳内神経伝達物質の下記のような合成過程にも関わっており、女性のうつ症状や睡眠障害との関係はよくよく指摘されることですし、鉄補充による精神症状の改善も多いようで、メンタル症状の改善において、鉄補充は有用な一つのアプローチでもあるようです。

・フェニルアラニン → ドーパミン    :運動能力↓

・フェニルアラニン → ノルアドレナリン :集中力↓

・トリプトFラン → セロトニン     :うつ症状

・トリプトファン → メラトニン     :睡眠障害

治療について

鉄欠乏を認め、何らかの不定愁訴のような症状をていしている方は治療の対象となります。
当院では鉄欠乏性貧血の手前である、潜在的鉄欠乏の方が治療対象となります。
明らかな鉄欠乏性貧血を呈している方は内科や婦人科などにて原因検索を行い、原因に対しての治療が一番大切です。


①原因の治療
 原因に対して治療を行うことが必要ですので、重度の貧血症状を呈している際には内科、婦人科などをご紹介いたします。

②薬物療法
 原則として鉄剤の補充は経口投与(飲み薬)で行います。
注射による治療もありますがアレルギーなど過敏反応や鉄過剰などの合併症もありますので当院では行いません。
食事(鉄がヘム鉄であるレバーなど動物性タンパク質の食材が吸収率や含有率からの点でホウレンソウなどの野菜より明らかに有利)からの摂取は非常に大切なことではありますが、鉄が枯渇している状況であれば食事療法だけで症状が改善することは難しいとされています。
 鉄剤を開始すると症状が2-3週間で改善し、その後ヘモグロビンが上昇(6-8週間)し、最後にようやく貯蔵鉄のフェリチンが正常化してくるとされています。
 鉄剤はフェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)という飲み薬を1日1~2錠(鉄として50mg-100mg)内服して頂きます。顆粒製剤は1.2gで鉄として100mgを含有しています。
*エーザイ『 フェロミア 』 内のQ&A:https://faq-medical.eisai.jp/category/show/56?site_domain=faq   

制酸剤やビタミンCとの併用、内服間隔など多くの情報が記載されています。

(鉄剤内服治療の実際)
・一番問題となるのは、薬剤中の鉄が胃や十二指腸で放出されて活性酸素などの作用によって、悪心(むかつき・吐き気)、嘔吐、便秘、下痢、食欲不振などの消化器症状が少なくない割合で出現することが知られています。

・こうした消化器症状は数週間で改善される方が多いとはされますが、症状が強い場合は食事中に鉄剤を飲む、就寝前に飲む、薬剤料を減量するなどで対処することが可能な場合がありますので、消化器症状が強い場合にはご相談ください。  
フェロミアは,鉄として1日50mg〜200mgで使用されますが,80歳以上の高齢者を対象に,1日15mg,50mg,200mgの鉄剤を内服し,その効果と有害事象を検討した研究(Am J Med. 2005;118:1142–7)では,15mgがもっとも有害事象が少なく,鉄剤補充成功の割合は変わらなかったという結果からは,なるべく少量で継続することが,有害事象を減らしつつ鉄分を補充するための方法だと分かります。
しかしながら、日本では50mgより含有量が少ない製剤はないため、割って飲むか顆粒に剤型変更して容量を調節するしかありません。市販のピルカッターなどを利用してみてください。

それでも継続困難であれば、より吸収効率がよく消化器症状が少ない、ヘム鉄のサプリメントを利用しましょう。サプリも品質の点からは医療用サプリメント会社のものを選択されることをお勧めします。
・鉄の吸収をよくするために空腹時の内服を薦める情報などもありますが消化器症状が強く出やすいことなどから食後に内服するのが原則です。
・ヘモグロビンは6-8週間で正常化しますが、ここで薬を中止してしまうと貯蔵鉄であるフェリチンがまだ回復していない状態ですので、すぐにまた鉄が不足し、貧血となってしまいますので先ずは最低6か月程度の内服を目指しましょう。
さらに生理のある女性の場合は6か月の内服で一旦回復しても、その後も生理のために貧血が再発することが多いようで、中には閉経するまで鉄を飲み続けなければならない方もおられます。食事の改善は必須だと思われます。

低亜鉛血症・亜鉛欠乏症について

どんな人にお勧め?
・味がわからない
・食欲がない
・湿疹、皮膚炎
・生殖機能の低下
・脱毛症、抜け毛
・傷が治りにくい
・風邪をひきやすい
・元気がない
・口内炎
・貧血
・身長の伸びが悪い
・爪の異常(陥凹や白い斑点など)
・アルコールを良く飲む

検査項目
・血清亜鉛(経過で血清銅)
・血清ALP(アルカリフォスファターゼ):亜鉛不足や脂肪摂取不足、甲状腺機能低下により低値を示す

亜鉛、その摂取量
先に体内には亜鉛を必要とする酵素が300種類以上あるとされ、さらには細胞の増殖、分化、アポトーシスなど生体の恒常性維持に大切な役割を果たす生体にとっては非常に重要な必須微量元素であることはお話をしました。

「日本人の食事摂取基準」では、亜鉛の摂取推奨量は、成人男性で10mg/日、女性で8mg/日とされている一方で、「国民健康・栄養調査報告」では、平均亜鉛摂取量は、男性、女性ともに20歳代以降で摂取不足気味であると報告されています。

低亜鉛血症と亜鉛欠乏症の違い、そして潜在性亜鉛欠乏
低亜鉛血症とは血清亜鉛濃度が低下し、生体内の亜鉛が不足した状態を指しており、低亜鉛血症を必ず伴い何らかの身体精神症状を呈している状態が亜鉛欠乏症と言えます。
亜鉛欠乏症は、亜鉛欠乏による症状と検査所見(血清亜鉛値、血清ALP値)から捉えたもので、「亜鉛欠乏症の診療指針」における亜鉛欠乏症の診断基準では、血清亜鉛値が60μg/dL未満を亜鉛欠乏症60~80μg/dL未満を潜在性亜鉛欠乏とされています。

従って、血清亜鉛値を測定して80μg/dL未満が治療対象となります。

亜鉛欠乏の原因
要因は様々ですが、摂取量不足や吸収障害、薬剤投与(キレート作用を持つ薬剤:降圧薬、脳循環改善薬、抗腫瘍薬、抗うつ薬など)や糖尿病・肝疾患・腎不全(人工透析)などの慢性疾患、炎症性腸疾患などで生じることが多いとされています。

・肉の摂取量が少ない:1週間で1kg(1日に150g)以下の女性が大半だと言われています。
・菜食主義の方
・飲酒
・過度な運動
*陸上の男子選手の約15%、女子選手の約30%に亜鉛不足による貧血がみとめられたとの報告もありますし、運動部に属している小中高生では、亜鉛を含む食品を十分とらないと亜鉛が不足する可能性があります。

亜鉛不足で見られる症状
亜鉛は身体の様々な機能を維持していくために必要な微量元素であり、その生理作用は多彩

①身長の伸び(小児)
②皮膚代謝
③生殖機能
④骨格の発達
⑤味覚の維持
⑥精神・行動への影響
⑦免疫機能

様々な面に関与しています。
活性酸素を除去する、細胞分裂を正常に行う、などの役割があるため、精巣、毛根、味蕾(みらい)、皮膚や粘膜など細胞分裂が盛んな部位に多く含まれています。

・味覚の維持—-舌の味蕾の中の味細胞から味覚神経を通して脳内の味覚中枢に情報が送られていますが、この味細胞は短い期間で細胞分裂を繰り返しているために、亜鉛不足で細胞が生まれ変われず味覚障害につながります。

・皮膚(粘膜)代謝や髪の健康維持—-皮膚のコラーゲンの合成にビタミン C と亜鉛と鉄は必要不可欠であり、これらが不足すると肌荒れ・口内炎につながりますし、細胞の分裂が阻害されることもあいまって傷の治りが悪いという症状にも関連してきます。

また毛根には亜鉛が多い為、毛根への亜鉛の供給が不足することで脱毛に繋がります。
実際に円形脱毛症をはじめとする脱毛症の方に亜鉛欠乏が多いことも知られています。
さらに、皮膚にかぶれなどの炎症が生じた際に、この炎症反応が行き過ぎないように抑える役割を果たしている表皮内のランゲルハンス細胞(LCs)が低亜鉛で減少するため、生じた炎症が長引いてしまうことなども報告されています。

・その他—-低亜鉛で胃腸など消化管の働きが低下して消化吸収が悪くなり、食欲も低下しますし、腸粘膜の免疫能低下もあいまって下痢を起こしやすくなります。
亜鉛は成長ホルモンや性ホルモン等発育に関するホルモンの産生や働きにも関わっているため子供の成長障害を来します。
骨の生成にも関与するため、亜鉛不足で骨粗鬆症を引き起こすことも知られています。

さらに亜鉛不足に伴い、男性の精巣に障害を来して制しの減少や性欲減退などから男性不妊症の大きな要因ともされています。

また低亜鉛に伴う症状に「精神症状や行動への影響」が挙げられていますが、これは亜鉛が低いと銅が過剰となってしまうことに起因しています。
この銅が多いことによって、ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリンへの変換が過剰に生じてしまい、ノルアドレナリン↑の不安、焦燥感、不眠などの症状や、アドレナリン↑のイライラ感、暴力、こだわりなどの症状が顕著となってしまうようです。

この亜鉛・銅バランスは暴力行動と関連することが知られており、攻撃的な人は亜鉛に比べて銅が多く、温厚な人はほぼ同じレベルとされています。

牡蠣以外では動物性食品に多く含まれており、このことからも亜鉛の摂取には肉を食べることが重要だと解ります。

亜鉛補充療法

味覚障害以外で経口での亜鉛補充が認められているのは、ノーベルファーマ「ノベルジン」だけであり、添付文書上、亜鉛を学童~成人では50~150mg/日、幼児では25~50mg/日を食後に経口投与する。乳幼児・小児については1~3mg/kg/日を目安とする、とされています。

実際には成人及び体重30kg以上の小児では、亜鉛として、1回25~50mgを開始用量とし1日2回経口投与する。
体重30kg未満の小児では、亜鉛として、1回25mgを開始用量とし1日1回経口投与する。
血清亜鉛濃度や患者の状態により適宜増減するが、最大投与量は成人及び体重30kg以上の小児では1日150mg(1回50mgを1日3回)、体重30kg未満の小児では75mg(1回25mgを1日3回)とする。

注意点として、鉄剤との同時摂取は避けましょう。吸収時の競合から効果減弱の恐れがありますので、時間をずらして摂りましょう。

薬価  25mg:269.50 円、50mg:422.30 円

J Cosmet Dermatol

. 2018 Jun;17(3):417-422.doi: 10.1111/jocd.12392. Epub 2017 Nov 12.

Evaluation of the serum zinc level in adult patients with melasma: Is there a relationship with serum zinc deficiency and melasma?

Majid Rostami Mogaddam 1Nastaran Safavi Ardabili 2Manouchehr Iranparvar Alamdari 3Nasrollah Maleki 4Maryam Aghabalaei Danesh 1

Affiliations expand

Abstract

Background: Melasma is a common acquired hypermelanosis of sun-exposed skin, particularly on the face, which presents as symmetric, light- to gray-brown-colored macules and patches. There are several studies of serum zinc levels in cutaneous disorders. So far, no studies have been carried out to assess the serum zinc level in patients with melasma. The aim of this study is to determine the serum zinc level in patients with melasma compared to healthy subjects.

Materials and methods: A total of 118 patients with melasma and 118 healthy controls were enrolled in this prospective cross-sectional study. The two groups were matched for age and sex. Atomic absorption spectrophotometry was used to measure serum zinc levels. The statistical analysis was performed using SPSS software.

Results: The mean serum level of zinc in melasma patients and controls was 77.4±23.2 μg/dL and 82.2±23.9 μg/dL, respectively (P-value=.0001). Serum zinc deficiency was found in 45.8% and 23.7% of melasma patients and control subjects, respectively. A positive family history of melasma in first-degree relatives was present in 46 (39%) of the cases, and a history of taking oral contraceptive pill was found in 95 (81%) of women with melasma. The aggravating factors for melasma were stated as: sun exposure (11.1%), pregnancy (15.3%), nutrition (2.5%), oral contraceptive pills (18.6%), and emotional stress (5.9%). The malar and centrofacial patterns were seen in 3.4% and 72% of cases, respectively, whereas 24.6% of the patients had both centrofacial distribution and malar distribution, and there was no patient with mandibular pattern. Among patients with melasma, 20.3% had thyroid dysfunction, while in the control subjects, 8.4% had thyroid dysfunction (P=.001).

Conclusion: There is a significant relationship between low levels of zinc and melasma. Zinc deficiency may be involved in the pathogenesis of melasma. Also, treatment with oral zinc supplements can be tried in these patients to see the outcome. However, to make recommendations on screening for zinc deficiency in patients with melasma, future research of good methodological quality is needed.

Keywords: deficiency; melasma; prevalence; serum; zinc.

Acta Dermatovenerol Alp Pannonica Adriat

. 2020 Jun;29(2):59-62.

A comparison of serum zinc levels in melasma and non-melasma patients: a preliminary study of thyroid dysfunction

Indina Sastrini Sekarnesia 1Irma Bernadette S Sitohang 1Triana Agustin 1Wismandari Wisnu 2Aida S D Hoemardani 3

Affiliations expand

  • PMID: 32566951
  • Abstract

Introduction: Melasma is an acquired hyperpigmentation disorder, clinically identified by symmetrical blackish-brown macules, especially on the facial area. Several factors are thought to play a role, including thyroid dysfunction and zinc deficiency. The aim of this study was to determine serum zinc levels in melasma and non-melasma patients with and without thyroid dysfunction.

Methods: A cross-sectional study was conducted in Jakarta in September 2019. There were 60 melasma patients and 60 non-melasma patients. The two groups were matched for age and sex. Atomic absorption spectrophotometry was used to measure serum zinc levels. Blood laboratory tests were used to check thyroid function by measuring thyroid stimulating hormone and free T4. Statistical analysis was performed using SPSS software.

Results: The mean serum zinc level in the melasma group was 10.25 ± 1.89 μmol/l and in the non-melasma group 10.29 ± 1.46 μmol/l (< 0.901). The mean serum zinc level in melasma patients with thyroid dysfunction was 8.77 ± 0.69 μmol/l, in melasma patients without thyroid dysfunction 10.33 ± 1.89 μmol/l, in non-melasma patients with thyroid dysfunction 10.48 ± 2.4 μmol/l, and in non-melasma patients without thyroid dysfunction 10.27 ± 1.4 μmol/l (< 0.184).

Conclusions: There was no significant difference between serum zinc levels in the melasma and non-melasma groups with and without thyroid dysfunction.

医療法人社団 精華会
村上 義之