HIFU(ハイフ)とは高密度焦点式超音波療法
High Intensity Focused Ultrasoundの頭文字を
取ったものです。
HIFU(ハイフ)では皮膚表面のカートリッジから
照射された超音波が、皮膚表面にダメージを
与えることなく皮下の真皮や筋膜上の1点で集束
され、瞬間的に65~75℃の高温に温めて熱凝固
ゾーンを形成します。
熱凝固した真皮や皮下組織はいったんは壊れますが、
創傷治癒メカニズムで新しいコラーゲンに富んだ
組織となり皮下組織を新しい細胞で次第に再構築
されてゆきます。
HIFU(ハイフ)による熱凝固はたるんだ筋膜・SMAS
を収縮させて深部からのリフトアップを可能にします。
ウルトラフォーマー3では、皮膚に接触するカートリッジを
自在に変えることで焦点の深さを1.5mm、2.0mm、3.0mm、
4.5mm、6.0mmと目的、皮膚の厚み、部位によって
最適な深さを治療することができます。
他の機器と熱の深達度を比較すると、IPLではごく表層に
限定されますし、通常の照射では炭酸ガスレーザー、
フラクショナルRF、マイクロニードルRFなども
真皮表層から中層くらいまでですし近赤外線や
高周波RFでも真皮中層から下層くらいまでに限局
されますが、一方のHIFUでは4.5mmなどを使用すれば
顔面ではSMASにまで到達させることが可能です。
この深さが最大のポイントです。
高密度焦点式超音波治療法 HIFU (ハイフ) の特徴
・ 皮膚表面や他の組織に傷を付けず,レーザーや
ラジオ波より内部の組織へ到達。
・ トランスデューサーから高エネルギーの
超音波を発生させ、体内の一点に集める。
・ その点に集束された部分だけが高温になり
65~75°凝固ゾーンが形成。
・ 他の組織にはダメージが無い。
熱ダーメジを受けたターゲット部位から創傷治癒
(Wound Healing)作用が始まります。
順に、凝固炎症期 → 増殖期 → 組織再構築期
→ 成熟期 と進んでゆきます。
創傷治癒(Wound Healing)過程によってコラーゲンは
分解・合成を繰り返して組織の再構築に至ります。
HIFU(ハイフ)の原理
皮膚表面のカートリッジから出た超音波は
設定された深さで皮下に高温の焦点を
つくります。
HIFUで治療可能な部位
●リフトアップ・タイトニング
●目元周辺、額、口元周囲のシワの改善
●ほうれい線の軽減
●首周りのシワの軽減
●肌質の改善 HIFU(ハイフ)シャワー
●二重顎、頸部のだぶつきの改善(脂肪除去)
リフトアップ
SMAS(スマス)とは顔面皮下の各種の表情筋、筋膜腱膜を含んだ
一連の膜様組織のことをいいます。
SMAS(スマス)は顔面の骨の骨膜や深部の筋膜からでる
深部リガメント(靭帯)支えられてますが、加齢により
深部リガメント(靭帯)がゆるみ、重力により
皮膚がたるんで歳を取った顔になっていきます。
顔面の整形ではこのSMAS(スマス)を手術します。
従来のレーザーや超音波治療器では真皮までが限界で、
筋膜やSMAS(スマス)にまでは及びませんでした。
HIFU(ハイフ)では筋膜やSMAS(スマス)に焦点を
定めることが可能となり、皮膚の深部から
フェースアップタイトニングをおこなうことが
可能になっています。
HIFU(ハイフ)の技術で手術をおこなわなくても
SMAS(スマス)を引きあげ、顔のタイトアップが
可能となりました。
HIFU(ハイフ)でのSMAS治療のイメージ図:
SMASのみを選択して熱凝固点をつくり
SMASを引き上げます。
フラクショナルレーザーが皮膚表層の表面積を減らすことで
リフトアップの効果があるのに比べて、HIFU(ハイフ)は
皮膚の深部からのリフトアップ効果を発揮します。
HIFU(ハイフ)ではカートリッジで設定された深さで
皮下に高温の焦点をつくり、ピンポイントで熱凝固を
つくります。
4.5mmカートリッジは筋膜・SMAS(スマス)のみに
熱凝固点をつくります。
3.0mmカートリッジは真皮深層に、1.5mmカートリッジは
真皮上層に熱凝固をつくります。
3つのカートリッジを使用して真皮上~深層と筋膜・SMAS
(スマス)を治療することで、皮膚全層からのリフトアップが
可能となります。
3~4ヶ月に1回の施術が推奨されています
一方で、フラクショナル炭酸ガスレーザーやフラクショナルRF
マイクロニードルRFなどと比較すると、表皮の
「新しい皮膚との入れ替え」はできないので、肌質の改善、
毛穴の開きの改善はやや不得意といえます。
HIFU(ハイフ)では、皮下のある一定の深さに限局して
スポットで熱凝固を起こします。皮膚表面(表皮)
には変化がありません。
各カートリッジで、その深さが異なります。
皮膚の薄い目の周りカートリッジ(2mmカートリッジ)
ハイフ(HIFU)シャワー
1.5mmカートリッジで顔全体をハイフシャワー
- 透明感・ハリ・毛穴・美白
- 肌の新陳代謝や血液循環の活性化
- 健康な皮膚へ導く
- 肌の調子を整えて輝いた美肌へ
施術後に皮膚表面のハリ感がわかりやすい
人気のメニューです。
1ヶ月に1回程度の施術が推奨されています。
脂肪の厚さに合わせ、ボディ用のカートリッジが3種類(当院では6mmだけのご用意)
6mmカートリッジ:
顎周りの部位、二の腕や膝上などボディの比較的脂肪の薄い部位
HIFUエネルギーで表面や他組織にダメージ無しで脂肪だけを溶解
最後に下記のような報告がなされています。
エステサロン等でのHIFU機器による施術で
トラブル発生! -熱傷や神経損傷を生じた事例も-
平成29年3月2日 独立行政法人国民生活センター
エステティシャン等が HIFU 機器を用いて皮下組織に
直接熱作用を加え、危害を及ぼすような
美容施術を行うことは、医師法に抵触する
おそれがあります。ご注意ください。
共通のリスクと施術後の注意点
施術後のリスク、合併症を最小限にするため、
以下の注意事項をお守りください。
・当日からシャワーは可能ですが、温泉、サウナ、
飲酒や激しい運動などを控えて下さい。
・当日より洗顔は可能ですが、強くこすったりは
しないでください。クレンジングやこすり洗いを
必要とする激しいメイクはお肌が落ち着くまで
数日間控えてください。
・過度な日焼けは避けて頂き、外出の際には紫外線、
可視光線近赤外線を遮断できる日焼け止め、紫外線、
近赤外線を遮断できるメガネをご使用ください。
・腫れ、皮膚のかさつき、肌荒れ、内出血が一時的に
出ることがあり施術直後は理想の状態でないことが
あります。
・目的とする効果を維持するために定期的な追加治療
を必要とします。
医療法人社団 精華会
ミルディス皮フ科 村上 義之