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院長ブログ

難治性の慢性蕁麻疹の方へ 

2021年09月06日

じんま疹の原因として、HCV(C型肝炎ウイルス)感染、
H.ピロリ菌感染などが知られています。

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ただし,個々の症例レベルでは HCV 感染を伴う場合K1) ,
ピロリ菌陽性患者における除菌治療後K4)K5)K7)~K9)
K11)K12) ,アニサキス感染を伴う場合K11)K12)
あるいは悪性腫瘍合併患者における腫瘍治療後に,
蕁麻疹が寛解する例は存在する.そのため,単に
蕁麻疹であるからという理由でこれらの疾患の合併を
疑う必要はないが,注意深い問診と身体診察等により
その可能性を考える意義は認められる.

そのため,単に蕁麻疹であるからという理由でこれらの
疾患の合併を疑う必要はないが,注意深い問診と身体診察等
によりその可能性を考える意義は認められる.これらより,
特に蕁麻疹以外に明らかな所見がなく,抗ヒスタミン薬に
よる標準的な治療により鎮静化する典型的な症例においては,
ルーチンに行うべき検査はないと考えられる.

(蕁麻疹診療ガイドライン2018 p29
「CQ3:慢性蕁麻疹に検査は必要か」

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アニサキスに伴う蕁麻疹を疑うのは、魚を食べて数時間から
十数時間で蕁麻疹を発症するです。

こうしたことから、通常の抗ヒスタミン剤だけでコントロール
(症状抑制)が不十分な慢性蕁麻疹の方に、HCV
(C型肝炎ウイルス)感染、H.ピロリ菌感染について
検査をお勧めしています。

①当院で可能な検査

・HCV(C型肝炎ウイルス)感染:
採血にて保険にて可能(3割負担:900円)
・H.ピロリ菌感染:
採血にてH.ピロリ抗体検査(自費:2200円)

いずれも抗体が陽性となった場合はかかりつけ
内科での詳しい検査を行う必要があります。

H.ピロリ菌感染の除菌治療も内視鏡検査などで
胃炎の診断がなされないと保険適応になりません。

②内科で行う検査(お勧め)
*当院より紹介状を発行しますし
必要時にはミルディス内科胃腸科をご紹介します。

・HCV(C型肝炎ウイルス)感染:
採血にて保険にて可能
・H.ピロリ菌感染:
様々な方法があるので内科主治医とご相談ください。

内視鏡を使わない検査

「抗体測定」
ピロリ菌に対する抗体があるか血液や尿の検査から調べる

「尿素呼気試験」
診断薬を服用する前後の呼気を集めてピロリ菌を見つける

「糞便中抗原測定」
糞便中からピロリ菌の抗原を見つける

内視鏡を使う検査

「迅速ウレアーゼ試験」…
ピロリ菌が有するウレアーゼ(尿素を分解する酵素)
の活性を利用して、ピロリ菌の有無を調べる

「鏡検法」…
採取した胃の粘膜を染色し、顕微鏡でピロリ菌を探す

「培養法」…
採取した胃の粘膜を培養してピロリ菌を見つける

慢性蕁麻疹とH.ピロリ感染について

高麗医科大学のHyun Jung Kim先生達が2019年に発表した
1385名の慢性蕁麻疹患者に対する大規模集積結果を報告した
結果からは

1)ピロリ菌陽性患者と陰性患者との比較にて、ピロリ菌
陰性患者で蕁麻疹症状の自然寛解は有意に高率であった

2)ピロリ菌陽性患者群において、ピロリ菌除菌療法を行った
患者群で行わなかった患者群より蕁麻疹の寛解が多い傾向が
認められた(除菌が成功したかどうかは別として)

3)しかし、ピロリ菌除菌療法が成功した群と成功しなかった
群を比較しても、慢性蕁麻疹の寛解に有意差は認められ
なかった

こうした結果から、

・H.ピロリが慢性蕁麻疹の発症と持続に関連はあるであろう

・慢性蕁麻疹の症状の抑制において、ピロリの除菌が上手く
行ったかどうかは重要

・慢性蕁麻疹の収束には、ピロリの除菌治療が成功したか
どうかには関連しなかった

・ピロリの抗菌剤による除菌治療を行った慢性蕁麻疹患者
では、除菌治療が成功したかどうかに関わらず、高率に
蕁麻疹の寛解を示した。

と結論付けています。

Systematic review and meta-analysis: Effect of Helicobacter pylori
eradication on chronic spontaneous urticaria

(Kim HJ et al:Helicobacter. 2019)

是非、一度検査をしましょう。
そして陽性であれば除菌治療を行いましょう。

もちろんこれば蕁麻疹治療のためだけではなく、
胃癌の予防にもなりますので。


医療法人社団 精華会
ミルディス皮フ科 村上 義之