続いてはヒアルロン酸などのフィラー(充填剤、注入剤)
について見てみましょう。
フィラーの成分にも様々な種類があり、ヒアルロン酸が中心ではありますが、その他PCL、カルシウムハイドロキシアパタイトなどもあります。
以前は長期持続性を重視する余りに非吸収性物質を混入させた製品があり、一時は結構な頻度で異物肉芽腫と思われるしこりが残ってしまった症例を目にしました。
皮膚の真皮内注入とその量も要因だったのだろうと思います。
幸いにも最近はめっきり見なくなりました。
効果以上に、安全性に配慮したいですね。
先ずは前額です。
対象となるのは、ボトックスの適応から外れた年配の方への注入が当院では多いです。
中には前額を女性らしく丸い形に整える需要もあるようですが、当院での需要はありません。
まぶた(上眼瞼)の下垂が大丈夫な方は、もちろんボトックスを優先してご紹介しています。
その方がはるかに安価ですみます。
私自身はしわの深い方には2層にわけて注入しています。
最初は骨膜上に、そのごに皮下に少し柔らかい製剤を追加で注入して調整をしています。
(ヒアルロン酸3本。当時1本税別5万円)
次は眉間です。
この部位も基本はボトックスです。
男性の深いしわに対してのボトックスに併用する使い方、あるいは皮膚表面の刻まれたしわがどうしても気になる方に柔らかい製剤を浅い位置に注入しています。
(ヒアルロン酸1本:当時税別5万円)
次は眼窩下縁内側のtear trough deformityと言われる部位、ならびに中央のpalpebromalar grooveと言われる陥凹の治療です。
鈍針で溝(groobe)やくぼみ(hollowness)を2方向から注入して整えます。
(ヒアルロン酸1本。当時税別5万円)
さて、次に定番の鼻唇溝(法令線)です。
最近は鈍針での注入が多いです。
左症例はヒアルロン酸2本、右症例は1本を使用(当時1本税別5万円)。
時に要望される口交連は鼻唇溝より治療は難しいと思います。
(ヒアルロン酸1本で当時税別5万円)
上口唇は加齢でくぼんでもくるので目立つ部位でもあります。
口唇縁(vermilion border)にヒアルロン酸を注入して、追加でボトックスを注入しています。
(ボトックス+ヒアルロン酸:当時で税別6.5万円)
最近はボトックスの注入位置は口唇縁に近いところにしています。
25単位、50単位の容量で購入された方には余った薬液を上口唇や下顎の梅干しに注入して喜ばれています。
次回、今回ご紹介していない頬への注入や靱帯下方への注入で持ち上げるような効果を期待した注入法についてもご紹介したいと思います。
美容治療の考え5へ続く…
医療法人社団 精華会
ミルディス皮フ科 村上 義之