③各論1:角質層・表皮~真皮の病態
- イボ:脂漏性角化症、ウイルス性疣贅など角質増殖が主体のもの+スキンタッグなど
治療手段:LNT(液体窒素凍結療法)、炭酸ガスレーザー、デルマトロン焼灼、ハサミ
使い分け:LNTは大き目で隆起が顕著なものや、PIH(炎症後色素沈着)が目立ちにくい
頭部などに適す
Co2(炭酸ガス)レーザーは比較的細かなもの (PIH中)
デルマトロンでの焼灼はさらに細かなもの (PIH小)
ハサミは小型で突起したもの、くびれがあるもの (PIH極小)
多いとまとめて施術をお勧め(上記を踏まえて、Co2レーザーあるいは焼灼を選択)
その後は気になるものが残存、新生したら都度小さいうちに焼灼、数年後に再度まとめて
- 脂腺増殖症:皮脂腺が肥大化して下から隆起したもの、表面に角化はない
黄色の房状を呈し、中央に毛穴である臍窩。
下からの隆起で表面の皮膚が進展されて薄くなり、表面に血管拡張が見られやすい
治療手段:炭酸ガスレーザーが望ましい *LNTでも容積は多少減少
単なるイボ治療とは異なり、ほくろ治療のように下に向かって掘る(蒸散)治療
- ほくろ:隆起性、平坦なもの
一番の問題は深さが各ほくろで異なること。
Co2レーザーは比較的浅いほくろに適す
(*隆起したほくろが平坦化するまでのメリットはあり)
Co2レーザーが一番適すのは「色素の少ない小型のほくろ」
多少隆起していても平坦化のメリットあり
平坦なほくろも小さいものが適す(目安は1cm以下、良いのは5mmまで)
部位的には顔が適す(体は小型に限定。大き目は切除縫合)
平坦なほくろの深さの目安:色で予想する。浅いものから、
茶 → 黒 → 青 く見えます(*青はレーザーの適応なし)
治療手段:Co2レーザー、メスでshaving、サージトロン(高周波電気メス)
(*平坦な小型の茶色のほくろ:Qスイッチの強めの複数回照射もあり)
その他、汗管腫など含めて不明なものは医師診察をお勧めします。
稗粒腫などは気軽に保険診療で除去できることをお伝えします
- しみ:老人性色素斑、肝斑、ソバカス、くすみ、PIHなど
・肝斑は、その時に目立っていなくても、あるものとしてお伝え:隠れ肝斑
(日光、妊娠、ピルなど条件が揃えば目立ってくることがある、などをお伝え)
・PIHはレーザーやIPL光治療は無効
・IPL光治療での肝斑の悪化や顕在化のリスクはお伝えすること
・肝斑治療での当院での位置づけ:レーザートーニングはあくまでも優先順位の低いオプション
・治療の前提としてのスキンケアの徹底
・口唇のシミが治療できることを知らない方もまだ少なくないので、目立つようならお伝え。
治療手段:レーザー、IPL光治療、ケミカルピーリング+導入、トラネキサム酸内服、トーニング
美白剤(ゼオスキン、ジャン・マリーニの全顔治療、美白剤+トレチノインの部分治療)
(治療例)
肝斑が広範囲に目立ち、部分的に老人性色素斑が散在している症例
- レーザーで老人性色素斑をスポット治療+内服、スキンケア(飲む日焼け止め含む)
- 痂疲脱落後のアフターケアが重要であることは事前に強調
- アフターケアも部分治療にとどまらず、全顔での治療をお勧め
*紫外線撮影一緒に見ながら、周囲の予備軍、肝斑、くすみなどを指摘して治療へ
- 全顔治療としてのマリーニ・ブライトニングケアなどのご紹介
- 実はもっと効果的な製品もあります。ゼオ・セラピューティック
*次期の冬の季節にセラピューティックでもOK
- メンテナンスの重要性をお伝え、ゼオなどメンテナンスプログラムのご紹介
- 最低限メンテナンス例:当院のGOVCフラーレン、アスタキサンチンゲルクリーム、日焼け止め
化粧品でのメンテが苦手な方:CP+導入(マイルドな全顔治療にもなります)