美容治療の考え方(私見)1 210725
これまた某会での講演スライドを元にお話したいと思います。
今でも基本的なところは変わっていないと思いますので、皆さんの美容を考える上での参考になれば幸いです。
私自身は年を重ねるにつれ、より保守的な方向に意識は向かっているようで、見栄えも恥ずかしくないくらいには維持した方がよいとは思うものの、より重要視しているのは
「すてきな年の取り方をしたい」「心身ともに健康で長生きして、人生を楽しみたい」「治療よりも予防(未病への対処)」「身体は食事からの栄養で作られている、だから栄養素を大切にしたい」「何かを追加する以上に、余分なものを減らしたい」「統合医療」「分子栄養学」「機能性医学」…
車もやんちゃ仕様を変更(車高を上げ、スペーサーを外し、マフラーを純正に戻し…)して、肩肘張らないでゆっくり乗れれば良いなと思っています。
靴もかちっとしたものをいくつか冠婚葬祭用に残して全て処分し、比較的自分の足にあったアシックスのシリーズやスニーカーなどしか買わなくなりました。
話が逸れそうなので、元に戻します。
今回から数回に分けて、下記の項目について順番にお話してゆきます。
では、しばらくの間おつきあい下さい。
1)「美容皮膚科」の位置づけ
2)「皮膚の老化」とは(エイジングの過程を知ろう)
・構造変化
・ボトックスの適応
・ヒアルロン酸などフィラーの適応
3)「美」を考える
・黄金比
・Eライン
・対称性:シンメトリー
・個別パーツの形と比率
4)具体的な考え方
・観察(どこを見るか?)
・患者本人の要望
・治療は70%を狙う
・観察の仕方、治療の考え方
・受診、治療に際して考えて頂きたいこと
・症例呈示
・私の変化
5)どのような年の重ね方をするか?
・著名人の例
・どこを目指すか?
1)「美容皮膚科」の位置づけ

「美容皮膚科」もいろいろあるわけでして。
当院では、通常の保険診療に加えて、自費での美容診療を提供しています。
現時点で提供しているものとしては、医療レーザー脱毛(ソプラノ:蓄熱式脱毛)、Qスイッチレーザーでのシミ治療、ライムライト・アキュチップによるIPL美顔治療、HIFUなど引き締め治療、ヒアルロン酸などのフィラー治療、ボトックス治療、エレクトロポレーションによる薬剤導入治療、アグネス(マイクロニードルRF)でのニキビ治療、Vビーム(色素レーザー)でのニキビ痕の赤み治療、炭酸ガスレーザーでのホクロやイボの治療、美容注射・点滴、コレーゲンピール、ダーマペン(マイクロニードリング)などなど。
提供内容は、多くは比較的定番といわれるものが中心ではないかと思います。
頭では何かに集中して特化した方が今後の社会的状況を考えると有利だとは解ってはいても、私の子供の頃の医師像が地元のご近所だった黒木内科の黒木先生ですし、スーパーも高級スーパーよりも近所の品揃えの良い「オオゼキ」だったりもするので(自己紹介参照)、ニキビ専門、脱毛専門、自費専門、AGA専門、爪専門などにはどうしても自分の感覚が馴染まないのです。ご近所の方が、近くにこのクリニックがあって良かった、遠くまで出て行かなくて済んだなどと思ってくれれば、十二分にありがたいことだなあ、と思うのです。
そう、当院は近所の品揃えの良いスーパーとして生き残ってゆくか、それとも本当に少なくなった町の個人経営の本屋さんのようになってゆくのか…
私が元気に診療を続けられるのも、あと15年はないでしょうから、この路線で行くのか、それとも変身するのか?
考えどころではあります。
「美容医療」にはスライドのように、①元に戻す、②元からあるものを変える、の2種類があります。
当院ではホクロ・アザ治療や医療レーザー脱毛など以外は①の範疇で保存的な治療が中心になっています。
美容治療の考え方2へ続く…
医療法人社団 精華会
ミルディス皮フ科 村上 義之