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院長ブログ

ある日の日記から 知識を知恵に変える

2021年07月26日

210723

不惑の年齢はとっくに通り過ぎたにも関わらず、
自分の生き方も定まらずに日常に流されてゆく自分を
感じ、人生に残された時間の方が少ない状況なのに、
このままで本当に良いのだろうか?と若者のような
疑念を抱くようになったのです。

健康寿命などを考えると、頑張って働けるのは70歳
までだろう。
であれば私は40歳で開業し、15年が経過し、残された
時間は長くて15年。

自分は何をしたい、社会に対して何をすべきで、
何ができるのか?

55歳、開業15年を経過した時点で改めて自分の
ミッション、ビジョン、バリューを
そしてクリニックのミッション、ビジョン、バリュー
を考え直そうと2019年の夏頃に思い立ちました。

そんな時に出会った本が、遅まきながら
スティーブン・R・コヴィー博士の「7つの習慣」でした。

第一の習慣:主体的である

第二の習慣:終わりを思い描くことから始める

第三の習慣:最優先事項を優先する

第四の習慣:Win-Winを考える

第五の習慣:まず理解に徹し、そして理解される

第六の習慣:シナジーを創り出す

第七の習慣:刃を研ぐ

完璧になんて出来ないけれども、そうありたい、
そうあるべく努力してゆきたいと心から思える内容でした。
これがきっかけで、種々のセミナーなどにも出かける
ようになったのでした。

さて、「何がしたい」、「自分はどうありたいか?」は
人それぞれだと思います。
「自分を好きでありたい」
「若々しく、心身共に健康で長生きする」
「一度きりの人生を最大限に楽しむ」
「社会との接点を持って、家族を含む人の役に立ちたい」と
いうのが私に思い浮かんだ事柄でした。

我が子に思いをはせても、この世に生まれてきたからには
人に迷惑をかけない範囲で自分の望む人生を歩んで欲しい、
自分を好きであって欲しい、と思います。

でも自分について考えてみても、好きでない部分と
嫌いな部分は沢山あります。

内向的で社交性に欠ける、行動力の無さ、話し下手、学生時代に
比べて筋肉落ちているのに体重は著しく増加、顔面のニキビ痕、
顔面の脂腺増殖症の多発、頭部顔面の脂漏性皮膚炎、髪の毛が薄い、
白髪、視力が低い、疲れやすい、足の爪の変形、
足底のアーチが無くなり・・・など枚挙に暇がないくらいです。

でもこうした嫌いなところって実は大半が症状であり、
その根底には精神的不調、老化、運動不足などなどに
つながる生理学的、生化学的な問題があるように思えます。

名前のついた病気、名前の付かない体調不良、精神的不調
などを抱える人は多数います。

なりたい自分になる、自分を好きになる、元気になる

本来の自分になるためのお手伝いをする、一緒に考えて
少しでも改善に導く手助けをするのが私達医療者にも
本当は求められていることなのだと思います。

医療者だけではなく、カウンセラー、栄養士、社会福祉に
携わる人、家族、もっといえば社会全体で協力が必要なのです。
当たり前のことですが、当たり前すぎてつい日常では
忘れてしまいがち。
多忙を言い訳にして思考停止して、目の前の流れ作業だけに
終始してしまっています。

これで良いのだろうか?
良いわけはないんですよね。

それとともに昔どなたかに言われた言葉を思い出しました。

先ず、自分の知識を広げなさい。
そしてその知識を自分や家族など近しい人などに役立てる
ことによって、知識を知恵に変えなさい。
そしてその知恵を多くの方に役立てなさい。

自分は何かの縁で医師となり、皮膚科を選択して北千住と
横浜で開業医となりました。
そして保険診療だけではなく、美容皮膚科の分野にも
多少携わるようになりました。

「美容医療」に関わった時の感動は今でも覚えています。
「美容医療」によって、人はこんなにも変わるのだ
ということ。

外見だけではなく、外見が変わることによって、その人の
心の持ちようが大きく変わるのだということが驚きでした。
医療に限らず、本人の不安が解消されれば嬉しいのは
当たり前ですよね。

じんま疹が内服治療によって痒みが抑えられれば、
それは確かに楽にはなります。
でも、それって救急的な治療にとどまり、根本的な
治療にはなっていません。

原因がわかればそれへの対処が可能なところも
あるのでしょうが、一般的な医療では蕁麻疹の大半は
「特発性じんま疹=原因がはっきりしないじんま疹」と
されていますので、薬を処方して症状をコントロール
するところで終わってしまっています。

そこから先に行けるのは、ほんのわずかな事例に
とどまってしまっています。

「ガイドライン」にもHCV

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ただし,個々の症例レベルでは HCV 感染を伴う場合K1) ,
ピロリ菌陽性患者における除菌治療後K4)K5)
K7)~K9)K11)K12) ,アニサキス感染を伴う場合
K11)K12) ,あるいは悪性腫瘍合併患者における
腫瘍治療後に,蕁麻疹が寛解する例は存在する。

そのため,単に蕁麻疹であるからという理由でこれらの
疾患の合併を疑う必要はないが,注意深い問診と身体
診察等によりその可能性を考える意義は認められる.

そのため,単に蕁麻疹であるからという理由でこれら
の疾患の合併を疑う必要はないが,注意深い問診と
身体診察等によりその可能性を考える意義は
認められる.これらより, 特に蕁麻疹以外に明らかな
所見がなく,抗ヒスタミン薬による標準的な治療に
より鎮静化する典型的な症例においては,ルーチン
に行うべき検査はないと考えられる.

(蕁麻疹診療ガイドライン2018 p29
「CQ3:慢性蕁麻疹に検査は必要か」)

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せめて投薬でコントロール不良な難治例だけでも、改めて
検査をして少しでも根本原因に近づく努力を再度しなけ
ればいけないですよね。
「知識」で止まってしまっています。
大いに反省です。

高麗医科大学のHyun Jung Kim先生達が2019年に発表した
1385名の慢性じんま疹患者に対する大規模集積結果を
報告した結果からは

1)ピロリ菌陽性患者と陰性患者との比較にて、ピロリ菌
陰性患者で蕁麻疹症状の自然寛解は有意に高率であった

2)ピロリ菌陽性患者群において、ピロリ菌除菌療法を行った
患者群で行わなかった患者群より蕁麻疹の寛解が多い傾向
が認められた(除菌が成功したかどうかは別として)

3)しかし、ピロリ菌除菌療法が成功した群と成功しなかった群
を比較しても、慢性蕁麻疹の寛解に有意差は認められなかった

こうした結果から、

・H.ピロリが慢性蕁麻疹の発症と持続に関連はあるであろう
・慢性蕁麻疹の症状の抑制において、ピロリの除菌が上手く
行ったかどうかは重要
・慢性蕁麻疹の収束には、ピロリの除菌治療が成功したか
どうかには関連しなかった
・ピロリの抗菌剤による除菌治療を行った慢性蕁麻疹患者では、
除菌治療が成功したかどうかに関わらず、高率に蕁麻疹の寛解
を示した、と結論付けています。

Systematic review and meta-analysis: Effect of Helicobacter
pylori eradication on chronic spontaneous urticaria
(Kim HJ et al:Helicobacter. 2019)

ピロリの抗体検査だけでも行って、陽性なら内科での
除菌治療を依頼しましょう。

医療法人社団 精華会
ミルディス皮フ科 村上 義之