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美容治療入門8

2021年08月23日

皮膚によい食べ物

以前、私がHPにブログを書いていた頃に一番閲覧数が
多かったのが何故かこの記事でした。
薬やサプリメントに頼らず食生活から見直そうというのは
自然な流れなのかも知れません。

——————————————————————–

皮膚科雑誌に「皮膚によい食べ物」という記事が掲載されて
いましたので、一部改変した上でご紹介します。
食事は栄養素の面から考えることも大切でしょうが、最近の
各種偽装問題を始め、国内の食の安全神話が崩壊しかかって
いる状況を鑑みると、食品の質も考えていかなければならない
のかも知れません。

末尾に紹介している「食の安全を考える会」の「あぶない食
のはなし」などを読むと恐ろしくなってきます。

1980年代から1990年代にかけて食品業界にも「良い食品を作る
会」という運動が生じ、良い食品の基準として4つの条件が
掲げられました。

1) 安心して食べられる安全な食品であること
2) ごまかしがないこと
3) 味がいいこと
4) 品質に応じた買いやすい値段であること。余りに神経質に
なりすぎるのも考えものですが、食べることは毎日のことであり、
食生活を健全にすることが人間の生命を維持する基本です。
ある程度の「食へのこだわり」も必要かも知れません。
サプリメントからではなく、食品から摂取した栄養素によってのみ、
予防効果や進行抑制効果が得られるある種の疾病も少なからず
報告されてきています。
「美肌にコラーゲン」だけではなく、それら以外のものも是非
試してみてはいかがでしょうか。

保湿対策に効果のある栄養素と食品

保湿効果がある栄養素は脂肪の多い魚類、種実類、植物油などに
含まれるビタミンEで、これに水分摂取を心がける必要があります。
乾燥の目立つ部位には保湿剤や保湿化粧品で潤いを与えたり、
加湿器などで生活空間の湿度を調整することも重要でしょう。

①保湿対策に効果のある栄養素と食品
ビタミンEたらこ・卵・うなぎの蒲焼・真鯛・にしん・ぶり・大豆・植物油・バター・マヨネーズ・ドレッシング・アーモンド・落花生・ごま・モロヘイヤ・かぼちゃ・アボカド
脂肪の多い魚マグロのトロ・はまち・いわし・養殖真鯛・さば・にしん・ぶり・さんま・うなぎの蒲焼・鮭
植物油オリーブ油・菜種油・しそ油・えごま油

美白・老化対策に効果のある栄養素と食品

体の外側からは紫外線対策が最重要かつ不可欠です。
シミ・シワ・皮膚癌の発症を遅らせたり防ぐためにも、年間を
通じてサンスクリーン剤を使用しましょう。
体の内側からはβ‐カロテン、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェ
ノール(赤ワイン、ウーロン茶、コーヒー、ココア)、カテキン
(日本茶)、葉酸(緑色野菜)などを摂ることが大切です。
活性酸素を除去して美白作用や抗酸化作用が期待できます。

②美白、老化対策に効果のある栄養素と食品
β-カロテン焼きのり・パセリ・にんじん・モロヘイヤ・あしたば・春菊・にら・小松菜・ほうれん草・菜の花・大根葉
ビタミンCグァバ・イチゴ・レモン・パパイヤ・パセリ・パプリカ・ブロッコリー・モロヘイヤ・菜の花・ほうれん草・小松菜
ビタミンEたらこ・卵・うなぎの蒲焼・真鯛・にしん・ぶり・大豆・植物油・バター・マヨネーズ・ドレッシング・アーモンド・落花生・ごま・モロヘイヤ・かぼちゃ・アボガド

ニキビ・吹き出物対策に効果のある栄養素と食品

ニキビ悪化の要因には不規則な食生活、外食に頼った高エネルギー食
などが挙げられます。
ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCが十分に含まれ、脂質が過剰
にならないような食事を心がけましょう。
不十分な洗顔、寝不足、不摂生、ストレスの多い生活環境は、どれも
ニキビを悪化させる要因になることを自覚しましょう。
メーク落としも十分に!

③ニキビ、吹き出もの対策に効果のある栄養素と食品
ビタミンB2レバー・アーモンド・うなぎの蒲焼・ずわいがに・豚肉・ハム・納豆・卵・さば・ぶり・牛乳・チーズ
ビタミンB6いか・たこ・いわし・マグロ・かつお・さば・あじ・玄米・豚肉・牛肉・鶏肉・レバー・大豆・卵黄・ごま・バナナ・セロリ・エリンギ
ビタミンCグァバ・イチゴ・レモン・パパイヤ・パセリ・パプリカ・ブロッコリー・モロヘイヤ・菜の花・ほうれん草・小松菜

便秘対策に効果のある栄養素と食品

食物繊維、乳酸菌を豊富に含んだ献立にし、併せて十分な
水分摂取を行いましょう。
ダイエットのために食事量を極端に減らしたり、脂肪を制限し
すぎることも便秘の原因になります。

日常的に適度な運動をすることも大切です。
食物繊維や乳酸菌配合の特定保険用食品もあります。

④便秘対策に効果のある栄養素と食品
食物繊維きくらげ・ひじき・昆布・しいたけ・切り干し大根・大豆・おから・納豆・オートミール・ごぼう・あしたば・モロヘイヤ・ほうれん草・にがうり・にんじん・やまといも
乳酸菌ヨーグルト・乳酸菌飲料
水分 

貧血対策に効果のある栄養素と食品

 表にあるような食品がおすすめできますが、妊娠の
可能性がある女性は、ビタミンA(レチノール)を多く
含むレバーは控えるほうが望ましいとされています。

貧血は徐々に進行すると気づかないことも少なくありません。
下眼瞼結膜や爪などの色が白味を帯びていないか、爪に変形
がないかなどの日常的な自己観察も重要です。

また、定期的に健康診断を受けることによっても貧血の有無
は判りますので、積極的に受けましょう。

⑤貧血対策に効果のある栄養素と食品
レバー・ひじき・昆布・煮干・大豆・納豆・あさり・ピスタチオ・アーモンド・ごま・わかさぎ・帆立貝・牡蠣・いわし・さば・ほうれん草・ココア
ビタミンCグァバ・イチゴ・レモン・パパイヤ・パセリ・パプリカ・ブロッコリー・モロヘイヤ・菜の花・ほうれん草・小松菜
ビタミンB6いか・たこ・いわし・マグロ・かつお・さば・あじ・玄米・豚肉・牛乳・鶏肉・レバー・大豆・卵黄・ごま・バナナ・セロリ・エリンギ
ビタミンB12レバー・牛肉・はまぐり・牡蠣・いわし・あさり・かに・さば・かつお・鮭・ぶり・うなぎの蒲焼・にしん・たらこ

ストレス対策に効果のある栄養素と食品

欠食すると脳にとって必要な炭水化物の補給が不十分に
なり、イライラの原因にもなりますので、3食をきちん
と摂取しましょう。
以前から指摘されていますが、日本人の食の傾向として
カルシウム不足があり、今もって改善されていないようです。

⑥ストレス対策に効果のある栄養素食品
カルシウムチーズ・牛乳・ヨーグルト・煮干・ひじき・昆布・干しえび・白須干・うなぎの蒲焼・ししゃも・大豆・きなこ・大根葉・モロヘイヤ・かぶの葉・菜の花・ココア・アーモンド・ごま
マグネシウムアーモンド・くるみ・ごま・ピスタチオ・落花生・大豆・昆布・ひじき・わかめ・ほうれん草・モロヘイヤ・チーズ・桜海老・しらす干
ビタミンCグァバ・イチゴ・レモン・パパイヤ・パセリ・パプリカ・ブロッコリー・モロヘイヤ・菜の花・ほうれん草・小松菜
ビタミンB郡魚介・肉類

参照:水野惇子,足立香代子:Visual Dermatology,7(4):411,2008. 
平澤正夫:いま何を食べるか ほんもの食品15選(平凡社,1987)
食の安全を考える会

参照・引用一覧 (順不同)
*本文に引用を記載したものは一部省略しています。

最後までおつきあいくださいまして、ありがとうございました。
下記は当院のシワモデルであるフレンチブルドッグ2匹
(「プルさん」と「サガンくん」)です。

ストレス。
そうストレスのせいで心拍数は増え、呼吸は速くなり、
額に汗が出て来たりします。

しかし、ストレスが健康の敵とされてきた一方、ストレスが
体に悪影響を及ぼすのはそう信じるからだ、と新しい研究が
示唆しています。

心理学者ケリー・マクゴニガルは、私達にストレスを肯定的に
捉える様にと促し、これまで知られていなかったストレスを
軽減する仕組として、手を差し伸べ合う事を紹介しています。

「家族の死」など強いストレスを受けると死亡リスクが
30%上昇するが、「他人の面倒をよくみる人は例外」で
死亡リスクが増加しなかったという報告があります。

「思いやることは体に良い」あるいは「ストレスによる健康
への害は防げる」「考え方や行動によって体質が変わる」
とも考えられそうです。

ストレスもとらえ方次第で体の反応は異なるということだ
そうです。
「私は人生の試練に打ち勝つ自信がある」、「苦しいとき
でも私は1人じゃない」意志力をアップさせて自己コント
ロールできるようになりたいものです。

“How to make stress your friend”
(ストレスと上手につきあう方法):ケリー・マクゴニガル

ミルディス皮フ科
理事長 村上 義之

美容治療入門7

2021年08月23日

具体的な治療の考え方(2)

①表面の凸凹を処理しましょう

先日亡くなられた宇津井健さんも晩年
「渡る世間は鬼ばかり」に出演していた頃の方が、
それ以前よりもかえって肌つやよく却って若く
見えたくらいです。

それ以前にあった顔面や首の多数のイボもきれいに
処理されています。
イボが悪いわけではなく、もちろんしわやしみと
同様にその人の貫禄や年輪のようなものと好意的にも
とれますが、イボの有無でどちらがよいかと問われれば
多くの人はない方を好みます。

しかも「脂漏性角化症」「アクロコルドン」などが所謂
「年寄りイボ」の代表ですが、これらは比較的簡単に
処理することが可能です。

しかも、その効果はその他の美容治療に比べるとより
確実であり、費用対効果に優れます。
「毛穴」を気にされる女性は非常に多いのですが、
現在行なわれているほとんどの施術において多くの医師が
その毛穴治療効果に不満を抱いています。

それは、それらの効果が不十分だと認識しているからです。

こうした症状が目立つようでしたら,是非この治療から
美容治療を開始しましょう。

ホクロについては、その人のアイデンティティーや特徴にも
関わることですので、自身で残すべきか除去を考えるのを
判断してください。

多発性の小さなイボの治療方法

・表面麻酔を外用してサランラップで30分浸透
・炭酸ガスレーザーで一個一個を蒸散・焼灼
・麻酔、施術合わせて約1時間
・痂皮が取れるまでに顔で1週間、首で2週間程度

*大きなイボや腫瘤は別途麻酔注射を行なってからの
施術になります。
場合によっては保険適応にもなります。

ホクロや脂腺増殖症などの治療はイボとは異なり、
少し深い位置まで蒸散させる必要があります。

その後の赤みなども強く長く持続します。
いずれもテープなどでの患部保護を要します。


顔の凸凹につながる、顔の代表的な「できもの」

この中には比較的簡単に対処できるものが含まれます。

それが⑤の「脂漏性角化症」と言われるもので、首の
多発性の小さなイボである「アクロコルドン」同様に
小さなものが多発しておられる方も少なくありませんが、
炭酸ガスレーザーなどを使用して傷跡を最小限にして
除去できる代表的な「できもの」です。

②表面の色ムラを少なくしましょう。

次に手をつけるのが大きな目立つシミの対処です。
老人性色素斑(境界がはきりした円形に近いシミ)で
濃い色調のしみが先ずはターゲットです。

それに対する治療法は先ずはQスイッチレーザーです。
とりわけ目立つシミを選んで処理します。
それら以外の多数の小さなシミ
(例えばソバカス様のシミが広い範囲にパラパラと存在)
に対してはIPL(ライムライトやオーロラなど)で全体を
少しずつ薄くしてゆく方法が好まれます。

範囲が広いこともあり、テープ保護が不要である
(ダウンタイムが少ない)ところが魅力なのだと思います。

ほとんどの方は複数のシミをお持ちです。
老人性色素斑に肝斑を合併しているなど非常に多く見られます。
こうした場合、肝斑が目立つ状態(濃さ)であれば先ずは
肝斑の治療を優先させましょう。

肝斑の治療としては内服、ハイドロキノンなどの美白剤外用、
ケミカルピーリング+イオン導入、レーザートーニングなど
が挙げられます。

平坦なホクロも色ムラの原因にはなります。
但し、ホクロの治療を行なうかどうかはあくまでもご本人の
判断によります。
隆起していても平坦であっても同じです。

治療を希望する方には炭酸ガスレーザーで治療を行いますが、
Qスイッチレーザーを併用することもあります。

目立つ濃いシミ(老人性色素斑)の治療方法:
Qスイッチレーザー

・表面麻酔せず、患部を冷却しQスイッチレーザー照射
・チクチクと輪ゴムではじかれるような痛み
・照射直後は赤みから次第に褐色~黒色調の薄い痂皮に
・患部をテープで保護(その上からメイク可能)
・痂皮が取れるまでに顔で7~10日、体は2週間程度
・1~2週間後に再来、アフターケアの美白剤外用へ


ソバカスや小さなシミが広範囲の治療法:IPL光治療

・表面麻酔は不要せず、全顔にジェルをのせ光照射
・皮膚の表面に大きな範囲でパチパチという痛み
(直後からメイク可能)
・直後は照射部の赤み程度、次第に黒く変化し、
数日~1週間程度で小さな痂皮の集合体が剥がれる。
※反応したシミは一時的に濃くなるため、初回は
化粧ができても隠しきれないことがあります。

初回施術日は少し日程に余裕を持たせてお選び下さい。
以後は初回ほど強い反応をすることはありません。
・反応したシミ以外の肌にも熱が入ることになり適度な
ハリを肌にもたらす。
・3~4週間の間隔で数回照射。
※2回続けて反応が無い場合その機器の限界です。
経過に応じて出力を上げては行きますが、上げすぎると
シミ周りの皮膚まで火傷を生じるリスクが高まります。

どうしても気になるシミが残っているときには、
その部分だけアキュチップやQスイッチレーザーを
照射で対処されることをお勧めします。
・施術と施術の間にはハイドロキノンなど美白剤を
普段のケアで行ないます。

上記の両者が混在するときの治療順序:
どちらを先に治療するか?

・多くは個人の好みです。
大好物の食べ物を真っ先に食べる方と
最後に楽しみを取っておく方、それぞれです。

・効率から考えると、全体をIPLで数回治療を行い、
残った気になるシミだけQスイッチレーザーを照射。

本人が一番気になるシミを先ず処理する。
これによって本人の治療モチベーション
(やる気)がアップしたりします。
これもよくあることです。
しかもQスイッチレーザーの反応はこちらの方
が優れます。

・時間が許せば、最初の1~2ヶ月を徹底的な
遮光とハイドロキノンなどの美白剤外用で肌を
落ち着けてからシミの各種光治療に入って行く方が
より得られる結果が良好になるとも言われています。
でも待てないのも人情です。

上記以外に肝斑が目立つときの治療、あるいは
途中で肝斑が目立ってきたときの治療

・これもよくある話です。
と言いましょうか、ほとんどの方に肝斑は基本的に
合併していると思っておいた方がよいのではないか
とすら私は感じています。

・先にも書きましたが、肝斑が目立つときは肝斑の
治療を優先させます。
・徹底的な遮光、強くこするなどの肌への刺激を
排除することが基本です。
・そのためにも適切な量の日焼け止めを使用し、
適宜塗り直しをしましょう。
・その次に、ビタミンCやトラネキサム酸など
の内服とハイドロキノンの外用になるでしょう。
・さらに追加で考えるのがケミカルピーリング
+イオン導入などを1ヶ月に1度で行なう、

さらには1~2週間に1回の頻度で来院する
ことが可能であればレーザートーニングを併用
するのが早期に色調を改善させるのに有用と
言われています。
痂皮などは作りませんので、当日からメイク可能。

・肝斑が薄くなった時を狙って、残りの目立つ
シミのレーザー・光治療(Qスイッチレーザーや
アキュチップ)でピンポイントでの治療をしたり、
全体を数回IPLで治療したりします。

・該当される方は当院の小冊子「肝斑のこと」を
参照ください。

平坦な黒いホクロの治療法:
炭酸ガスレーザー+(Qスイッチレーザー)

・局所麻酔を注射して炭酸ガスレーザーで
少し周囲を含めて蒸散させます。
・擦り傷状態になりますので、大きなモノでは
患部をテープで保護する必要があります。
・シミ治療よりも施術後の赤みが長く続き
ますし、深いホクロでは色素が残存していたり、
徐々に再燃してきたりすることがあります。
(むしろ、そうなることが前提でもあります)
・繰り返しますが、どのホクロを治療するか
などはあくまでもご本人の判断になるのが基本。

鼻や頬も毛細血管拡張症の治療法:
クールグライド接触照射
・血管が浮き出て目立つ場合も色ムラに含まれます。
皮膚の毛細血管拡張症も皮膚老化の徴候です。
・特に小鼻のワキ(鼻翼基部)などは誰しも目立つ
ように変化してゆく部位です。
個人差ですが、頬などにもそれが及ぶ方もおられます。

・血管1本1本が目で追えるくらいに血管が拡張
している場合はクールグライドでの血管治療が有用です。
複数回の治療が基本となります。
・小さな赤い点(老人性血管腫)にもクールグライド
での治療が有用です。
・照射時の痛みはありますが、照射時の冷却のみで
表面麻酔なども不要ですし、施術直後からメイク可能。
・1本1本の血管がはっきりしない、所謂「赤ら顔」の
治療は難しく、費用対効果の低い皮膚状態です。
ロングパルスNd-YAGレーザーの中空照射
(ジェネシス、スペクトラピーリング)やIPL
(ライムライト、オーロラ)での治療に限られますし、
その効果は限定的だと感じています。

③目立つシワやたるみの改善を目指しましょう

ベーシックなスキンケアとしては日焼け止め
(紫外線による真皮成分の変化を防止)と
トレチノイン(当院では美白剤のハイドロキノン
との合剤であるTHクリーム)
を日常的に使うことをお勧めします。
トレチノインが刺激作用で継続使用困難な場合は
レチノールでの継続を考えましょう。
次のステップとしてハイドラフェイシャルケアシス
(エレクトロ・ポレーション)などの機器による
各種美容成分の肌への導入でしょう。

顔や首のたるみの進行抑制を目的に行なう施術が、
「Tightening machine:引き締め機器」になります。

近赤外線(タイタン)や高周波(サーマクールや
リファーム)を用いて、表皮に影響を及ばさないで
真皮層に熱を生じさせて線維成分(コラーゲンなど)
に破壊やダメージを与え、即時的に熱収縮を生じさせ、
その後は創傷治癒機転によって新たに線維芽細胞
からコラーゲンなどが作られて組織として再構築さ
れてゆくことを期待しています。

一方で「ちりめんじわ」・小ジワに対して行なわれる
のがresurfacing(リサーフェイシング:皮膚表面に
目に見える、あるいは見えない傷やダメージを与えて
表皮と真皮の浅い層に熱作用を及ぼして組織の再構築
を図る施術)になります。しかしながら、こうした
主目的以外の施術によっても一定の効果が期待できます。

例えば太田母斑(青アザ)治療に対してQスイッチ
レーザーを繰り返すと患部の小ジワまで改善されることは
治療者の間ではよく知られている事実ですし、シミ治療
としてライムライトオーロラなどのIPL治療を継続する
ことによってもマイルドではあるものの肌のハリを実感
される方が多くおられます。
(近赤外線領域を主波長にしている機種ではさらに有用)

さらにはロングパルスNd:YAGレーザー(クールグライド
スペクトラ)を皮膚表面から少し浮かせて早いスピードで
連続照射することを長時間繰り返す手技によっても同様な
一定の効果が期待できます。

確実にダウンタイムを生じてしまいますが、炭酸ガス・
フラクショナルレーザーeCO2(横浜院ではEr:YAGレーザ)
では眼瞼周囲の「ちりめんじわ」や施術部位の軽度の
たるみを改善して引き締めるという点では有用であり、
さらには照射した肌全体の「肌を入れ替える」ような質感
の変化や均一性の向上が期待できます。

あくまでも皮膚真皮浅層~中層が治療ターゲットで
あることから、表面の変化(小ジワ改善)には優れる
ものの、「たるみ」治療としては効果不十分だと
思われます。

前額、眉間、目尻などを代表とする「表情ジワ」治療の
基本はボトックスでの治療になります。効果は明らかで、
費用対効果の優れる治療法だと思います。

継続すれば中年期以降での差は目を見張るモノがあります。
但し前額などでは年齢とともに限界も出てきます
(効かせすぎると、まぶたが重い)ので、ここでも
「ほどほどに(軽く効かせる)」が重要だと思います。

強い表情をすれば、シワが出来て当たり前、むしろシワが
無ければ不自然です。

軽い日常的に繰り返すくらいの表情ではシワ形成は抑制されて
いるが、激しい感情を表す時にはシワが出来てしまうくらいが
丁度よいのでしょうね。
1年に2~3回での継続がベストでしょう。

ヒアルロン酸などのフィラー(充填剤)も部分的に使用すると
非常に有用です。
頬、鼻唇溝(法令線)、マリオネットラインなどなど。

加齢に伴ってボリューム・ロスが生じているわけですから、
これらフィラーでボリュームを付加するというのは理屈にも
かなっています。

但しもちろん万能ではありませんので、その他の治療との
組み合わせになります。

例えば全体のケアをタイタンやペレヴェなどの
「Tightening machine:引き締め機器」で行い、頬や鼻唇溝
にフィラー注入を併用すると効果的です。機器単体での施術
に比べるとフィラーでの変化は大きく、満足感は高まります。

フィラーも種類や使用部位によって効果持続期間が異なります。
値段なども含めて施術医と相談の上で使用するフィラーを
決めましょう。

ボトックスやフィラー注入は非常に有用な手段ですが、針を
皮膚に刺すという行為を伴いますし、生体外物質を注入する
行為でもあります。
今一度ご自身で受容できる治療法かどうかをご確認ください。

④加齢に伴って目立ってくるその他に対する治療:おまけ

・上口唇の毛が目立つようになる。
上口唇の毛は女性といえども年齢を経るとターンオーバーが
延長することも関係してか多少若い方よりも長くかつ
濃く見える場合が少なくありません。
レーザー脱毛をしましょう。

・睫毛(まつげ)の貧毛化。
上記とは裏腹に睫毛は頭髪と同様に次第にまばらになります。
さらには、まぶたの垂れ(弛み)、目が窪んでゆくことなどが
相まって目が小さく見えるようになってきます。
「睫毛の美容液」であるグラッシュビスタをおすすめします。
睫毛が増毛増大することによって格段に目力が改善します。

・眉毛の長さを整えて、眉メイクを追加。
眉毛がまばらにはなってくるものの、1本1本はターンオーバー
延長に伴って長くなるのも老化のサインです。
長すぎる毛は先端をカットして長さを整えて、さらに
眉山まわりの産毛を処理眉から離れたムダ毛を処理
加齢に伴って眉の外側が垂れてくるため、それを改善する
ような形をメイクで目指します。
残念ながら男性の私にはこれ以上の知識がありません。

・口唇が薄くなる:加齢に伴って口唇の組織ボリュームが
減少するとともに、赤唇部が内旋して外から見える赤唇部分
が少なくなります。
ボリューム減に伴って赤唇部に縦ジワが目立つようにもなって
きます。
対処方法としてはヒアルロン酸注入です。
表面麻酔外用して冷却しながらの注入ですが、痛みを伴います。

また好みはありますが私は極端な「アヒル口」はお勧めしません。
元に戻る、あるいは少し「ふっくら」「縦ジワ減少」を目指す
のがよいと思っています。

参照・引用:美容医療機器の理論と実践(全日本病院出版会)

ミルディス皮フ科
理事長 村上 義之

美容治療入門6

2021年08月23日

次に皮膚の老化について一緒に考えてみましょう。

皮膚の老化とはいっても、成分変化などではなく
形態学的な(見た目の)変化を中心にします。

「スキンエイジングアトラス」から(1)
女性の臨床的老化インデックスの作成
(対象:18~80才 アジア系女性218名)

シワ相関係数たるみ相関係数
 目の下0.0654 上眼瞼外側のたるみ0.0659
 鼻唇溝0.0636 顔の下部のたるみ0.0626
 目頭の間(鼻根部)0.0635 頚部のたるみ0.0587
 目尻0.0617 頚部のキメ0.0570
 口唇上部0.0614 目袋0.0564
 前額0.0588
 口角0.0576
 下顎部皮膚の萎縮0.0568シミ相関係数
 眉間0.0564 頬骨付近シミの程度0.0620
 頚部0.0336 頬のシミの密度0.0587

これから解ることは、相関係数が高い部位というのは、
誰しも年齢相応に出てくる変化ということ。

逆に相関係数が低い変化は、人それぞれということ
ではあるのですが、それが目立つ場合には年齢以上に
見られる可能性があるとも言えます。

これをどうとらえるか?

①誰もが目立つ変化が少なければ若く
見られるのではないか?

②年齢との相関が低い変化が目立つ場合は、
老けて見られるのではないか?

この2点から手をつけてゆくことになりそうです。

さらに無理矢理順位をつけるのであれば
②を優先させる方が有利かも知れません。

しかしながら、このあたりは
「自身がどれを一番気にするか?」
「費用対効果に優れる部位を優先する」
などを踏まえて判断することになるでしょう。

いずれの項目も、確かに年齢を感じさせる変化
ばかりですよね。

左は「表情ジワ」の代表とされる眉間のしわ
右は「たるみジワ」と言われるマリオネット・ライン

改めて見るまでもなく、シワが深くなればなるほど
年齢を感じさせます

シワが浅くなれば、それ相応に若く見えますね。

肌に表れる“うねり”の変化が、加齢によるたるみを
印象づけていた
(たるみの進行について「カネボウ」資料より)

これらのうねりは、加齢に伴い広範囲にはっきりと
表れてくることがわかりました。
これらのうねりを、カーブの強さ(曲率κ)、
山と谷の位置と高さ(深さ)を算出して、定量的に
比較してみると、頬部では、顔の中心線に近い部分
のカーブの強さや高さ(深さ) が大きく、しかも、
加齢とともに、より顕著に急になっていました。

また、谷の位置が顔の外側に行くにつれて下がって
いくことも明らか となりました。

うねりが顔の中心線に近い部分から発生し、年齢と
ともに顔の外側に広がっていき、谷の位置が年齢で
変化すること によってたるみが形成されてくると
考えることができます。

一方、口もとでは、加齢とともに、口もと側よりも
顔の外側のうねりのカーブ が急になり、口もとの
たるみは、顔の外側で顕著に形成されていることが
わかりました。

このように、年代ごとに徐々に変わる、うねりの大きさ、
範囲、山と谷の位置といった顔の形状変化が、加齢に
よるたるみを印象 づけていることがわかりました。

Figure 1. Typical aging skin changes.

典型的な皮膚老化に伴う変化

ANATOMY AND PATHOPHYSIOLOGY OF FACIAL AGING
Marc S. Zimbler, MD, Mimi S. Kokoska, MD,
and J. Regan Thomas, MDより引用

  • 1 = thinning hair and receding hairline; 頭髪が細くなり、生え際が後退する
  • 2= forehead rhytids and ptosis; 前額のシワと下垂
  • 3= glabellar rhytidosis; 眉間のシワ
  • 4 = brow ptosis; 眉毛下垂(特に外側)
  • 5 = temple rhytidosis and ptosis; こめかみのシワと下垂
  • 6= upper lid redundancy and ptosis; 上眼瞼のたるみ(余剰皮膚)と下垂
  • 7= lateral canthal rhytidosis; 目尻のシワ
  • 8 = nasal root rhytidosis; 鼻根部の横ジワ
  • 9 = lower lid redundancy and rhytidosis; 下眼瞼のたるみと下垂
  • 10 =lower lid fat pseudoherniation; 下眼瞼脂肪の仮性ヘルニア(目袋:eyelid bagとも呼ばれます)
  • 11 = malar bag formation; 頬袋とでも訳すのでしょうか?(リスやハムスターっぽくないですか?)
  • 12 =cheek rhytidosis; 頬のシワ
  • 13 = preauricular rhytidosis; 耳前部のシワ
  • 14 = nasal tip ptosis and dependency; 鼻尖部の下垂
  • 15 = cheek sagging and fat atrophy changes; 頬のたわみと脂肪萎縮による変化
  • 16 = deepening nasolabial crease; 鼻唇溝が深くなる
  • 17= facial rhytidosis and sagging; 頬のシワが増えてたわむ
  • 18 = perioral rhytidosis; 口唇周囲のシワが増える
  • 19= upper lip flattening and lengthening; 上口唇のふくらみが減って縦に延びる
  • 20 = thinning and atrophy of vermillion (red lip); 口唇赤唇部が萎縮して薄くなる
  • 21 =chin pad ptosis and retraction; 下顎の組織が下垂するとともに薄くなって出っ張りが減少する
  • 22 = jowl formation; 下顎と頬の境界部分のたわみ
  • 23 = cervical rhytidosis; 首の横ジワ
  • 24 = submental fat accumulation; オトガイ下方の脂肪の蓄積
  • 25 = platysmal banding; 広頚筋束
  • 26 = rhytidosis and midneck hollowing; 首中央の窪み
  • 27= submaxillary gland ptosis. 顎下腺の下垂
  • 10(eyelid bag)と11(malar bag)についての補足

http://aaronstonemd-plasticsurgery.blogspot.jp/2013/03/malar-bags.html

引き続き、皮膚の老化の過程を見て行きましょう。
(Medscape Dermatologyからのスライド引用)

1.皮膚老化は皮膚だけの問題ではない:構造・形態の変化

皮膚、脂肪、筋肉、骨が構造変化を来たし、その結果
として顔貌が変化してゆく(形、バランス、比率)

2.皮膚老化は皮膚だけの問題ではない:
皮膚表面の変化(菲薄化してちりめんジワを呈す)

3.皮膚老化は皮膚だけの問題ではない:表情じわ

皮下の筋肉の収縮に伴って表面の皮膚がたわむことを
繰り返して折れジワが出現してくる

4.皮膚老化は皮膚だけの問題ではない:脂肪の下垂

脂肪は下記のような区画に分かれており、その中
での萎縮や下垂が生じる。

The Fat Compartments of the Face:
Anatomy and Clinical Implications for Cosmetic Surgeryより引用

5.皮膚老化は皮膚だけの問題ではない:加齢に伴う骨吸収

骨も変化します。
これによっても「たるみ」が出てきます。

6.皮膚老化は皮膚だけの問題ではない:
複合変化ではあるが、注入療法などで改善する

実際には、今まで見てきたような問題が複合して、
スライドのような変化をきたします。

皮膚表面のシミや萎縮、毛細血管拡張症などは除いても

1)シワ
2)たるみ
3)全体としての輪郭の変化
4)眉毛の形の変化 :特に外側が垂れてきます
5)眼のサイズ :眼窩が広がるので、窪んで
目が小さく見えるようになります
6)口唇の形、ボリューム :薄くなります
7)鼻の形:骨張ってくる

スライドの症例のような中等症では、施術に伴う
改善変化は明らかだと思います。

私だってフィラーで膨らませると変化します!

ミルディス皮フ科 
理事長 村上 義之

美容治療入門5

2021年08月23日

では、我々はどこを目指して行くべきなのか?

見た目が老けている人は、実際の寿命も短いと
いうことが報告されています。

「デンマークのクリステンセン教授が、913ペア、
1826人の70歳の双子の写真を撮り、それぞれ何歳に
見えるかを41人の医療関係者らにアンケートした
上で追跡調査を行なった結果、老けて見えるほうが
早く亡くなっていたのです」

双子でも、どんな生活を送ってきたかで、見た目の
年齢に差が出てくる。

そして、その差はそのまま「あと何年生きられるか」
の差になってしまうというのである。

つまり、そこから分かるのは、同窓会の“老け組”は早死にし、
“若見え組”は長生きする可能性が高いという残念すぎる現実だ。

以上は週刊ポスト2011年7月1日号からの記事の抜粋ですが、
平たく言えば「見た目を気にする人」の方が概して
「健康意識が高い人」だということかも知れません。

気が小さく心配性だから「見た目を気にする」のではないか
との意見もありました。

見た目の若さと身体機能相関 ポーラ化成、関係確認

こちらの報告では、表題の通りに「見た目が若い人」では
「身体機能の検査結果も良好」だという結果だけれども、
先の週間ポストでの記事と同様な理由で検査結果も
良好なのかも知れません。

“Smoker’s face”

血色が悪く、深く刻まれたシワ。典型的なSmoker’s face

上の写真は双子の姉妹です。
左は喫煙+紫外線の強い西海岸居住、右は非喫煙+東海岸居住。

環境と日常のケアでどれだけ肌の質が変わるか、
これを見るとよくわかる例だと思います。

タバコは紫外線と同様、皮膚にとって 大きな老化促進因子です。

シワ(特に深いシワ)を増やし、皮膚のハリをなくし、
たるみもより進行させてしまいます。
コラーゲンやエラスチンなどを分解してしまう作用 が
あるMMP-1,-2,-9などが増加する結果、 深いシワが
形成されるためとされています。
さらにはニコチンによりビタミンCが破壊されること
などから肌がくすみ、顔色が悪くなってくるからです。

ポーラ化粧品が日本の女性30万人を対象に行った
調査(2004-2005)によると、タバコを吸う人は、
吸わない人に比べ5才以上もメラニン色素沈着が
進行していることが明らかになりました。

予防と啓蒙の重要性:我々皮膚科医は紫外線防御と
ともに禁煙ももっと推し進めるべきかも知れません。

ここで閑話休題。

皆さんはサプリメントについてどう思われて
いますか?
好きですか?それとも興味なしでしょうか?

米国予防医療サービス対策委員会は心血管疾患や
がんの発症予防を目的としたビタミンやミネラルなどの
サプリメントの使用に関する2013年の勧告では、
予防目的でのビタミンEとβカロチンの使用を
「勧めない」、それら以外
(ビタミンA,C,D,カルシウム、セレン、葉酸、
抗酸化物質など)も「利益と不利益を評価するための
エビデンスが不十分」との判断のようです。

http://apital.asahi.com/article/tsubono/2013100700006.html

17歳未満「日焼け禁止」法成立 【米国皮膚科学会】

ニュージャージー、未成年のマシン使用禁止

2013年4月11日

米国皮膚科学会(AAD)は4月2日、17歳未満の未成年に
日焼けマシン使用を禁じる法律が1日に
ニュージャージー州で成立したことを報告した。
2013年10月1日から施行予定。

 この法律は、日焼けサロンが悪性黒色腫(メラノーマ)
などの皮膚癌発症リスクの増大に関与しているという
科学的なエビデンスに基づいたもの。
メラノーマの発生率はここ30年間増加の一途であり、
中でも日焼けマシンを頻繁に使う若い白人女性における
増加は最も急激である。米国保健社会福祉省
(HHS)は2002年、太陽光や日焼けマシンなどの
人工紫外線(UV)は既知の発癌物質であると公言
しているが、米国では年間約3000万人が日焼け
サロンを利用しており、うち230万人が10代である。

米国では毎年200万人以上に350万件を超える皮膚癌が
診断されている。
5人に1人が皮膚癌を発症し、ニュージャージー州では
2013年には、2520件が新たにメラノーマと診断される
と推測している。予防が最善策であり、同学会は
「SPOT Skin Cancer」キャンペーンを立ち上げ、
ウェブサイト(www.SpotSkinCancer.org)を通じて、
皮膚癌の予防や発見のための様々な取り組みを
行っている。

【関連リンク】
Illinois becomes sixth state to ban indoor tanning for minors under 18

ほんの数十年前までは日本でも小麦色の肌が
「健康的なイメージ」を持ってもてはやされていました。
私も自分の部屋にアグネス・ラムのポスターを貼っていました
(これは別の目的かも知れませんが)。
懐かしいですね。

高校時代はおろか、医学部に入学した大学生時代も
日焼けに対して全くの無防備のままで、友人達も
一様に無頓着でした。今でこそ、紫外線による
シミや発癌についての認識が世間一般にもある
程度の広がりを見せていますが、その当時は
とてもとてもそのような常識はありませんでした。

そんな私が紫外線による皮膚の変化に気づかされて
驚かされたことがあります。

医師になって顔の皮膚にもメスを入れるように
なってからの事ですが、同じメスを使用しても
若年者と高齢者(特に屋外での仕事に従事する男性)
では明らかに刃先で皮膚が切れる時の手に伝わる
感触が異なるのです。
先輩医師の言葉通り、高齢者の日光によくあたる部位の
皮膚では柔軟性がなく、同じ方でも二の腕の内側や
太ももなどではもっと柔らかい皮膚をしていることに
今更のように気づかされたことがありました。

イメージでは日光にあたって柔軟性がなくなった
下敷きを思い出してください。
曲げると余りしなることなく、パリっと
割れましたよね。あの感覚に近いのかも知れません。

皆さん、自身もお子様にも今すぐ紫外線防御を
徹底させましょう。

特に紫外線の影響は子供の頃からの蓄積が結果
として成人期以降に現れてくるのですから。

あなたのベーシック・スキンケアを確認しましょう!

・遮光の徹底:日焼け止めを適切に使っていますか
(TPOに応じた製品の選択。使用量や塗り直し)?

・保湿の徹底:自身にあった保湿を継続しましょう

・清潔のスキンケア:洗浄も必要なれど、強く擦らない、
皮脂を落としすぎないなど肌へのいたわりも大切です。

・もちろん喫煙は控えましょう。

・よく言われることですが、バランスの良い食事と
規則正しい生活を心がけましょう。

さらに追加するなら、

・ハイドロキノンなどの美白剤を使いましょう

・ケミカルピーリングやトレチノインを用いた
角質のコントロールなどでしょうか。

“Twines”   The importance of maintenance therapy

双子の症例が継続治療の重要性を示しています。

これもメインテナンスの重要性がよくわかるスライドです。
「継続は力なり」などの言葉が浮かんできます。

B子さんが継続すればするほど、以後差はますます
拡大するでしょう。
これはシワに限りません。

シミも同様で、残念ながら一度治療で薄くなったシミも
再燃してきますし、その時点で予備軍に過ぎなかった
非常に薄いシミが少しずつ濃くなって次第に目立つように
なってきてしまうのが実情です。
そのためにもシミに対してもメインテナンス治療が
必要なのです。

例えばシミの治療でライムライトやオーロラなどの
IPL光治療を1ヶ月ごとに計5回受けてシミが化粧で
隠れるくらいに薄くなったとします。
その時点で中止しないで、3~4ヶ月、あるいは半年に
1回でもよいのでメインテナンスのための照射を
お勧めしています。
もちろん普段の美白剤は継続しながらです。

カミラ夫人(チャールズ皇太子夫人)の場合

デボラ・ミッチェルのセレブリティ・クライアントは、
ロイヤル・ファミリーだけでなく、グウィネス・パルトロー、
ヴィクトリア・ベッカムなど錚々たる顔ぶれ。

「メインテナンスの重要性」という意味では非常に
説得力がありますし、さらにはボトックスやフィラーを
使わないでの改善を考えればもちろんすばらしいのですが、
いかんせん施術費用が庶民的ではありません。
庶民的でないどころか、ごく限られた一部の人しか
対象になりません。

少なくとも継続しての治療が受けられません。
かかる費用も含めて自身にあったメインテナンス方法を
考える必要がありますね。

長々と書いてきましたが、ここまでおつきあい下さいまして
ありがとうございました。

中締めとして、どこを目指すか?という命題に対する私なりの答えとしては、

もちろん人によってはご自身の「Successful aging」に
美容医療が不要な方もおられると思いますが、
逆に「目立つシミ」が治療によって化粧で隠れるくらいになって、
自身により自信が持てるようになったと言われる方もおられます。

美容医療は所詮「自己満足」の領域を出ないかも知れませんが、
当院がそのお手伝いをすることによってその方が自身に対して
自信を持てる、あるいは元気になれる、自分に自信が持てる
ようになるなら十分に意味あることだと考えています。
当院が一般皮膚科診療や美容医療を通して皆さんの
「Successful aging」のお役に立てれば幸いです。

ミルディス皮フ科
理事長 村上 義之

美容治療入門4

2021年08月23日

著名人の若き頃と現在を比べて、 一緒に年の重ね方に
ついて考えてみましょう
(著名人の経歴などはウィキペディアから引用しました)

①メグ・ライアン

まず1番目はメグ・ライアンです。
1961年生まれですので、私より3才年上くらいなので同年代です。

「恋人達の予感」も1989年の映画。「ユーガッタ メール」は
1988年の映画でした。 最近は激やせしているらしいですね。
これらの変化を皆さんはどう思われますか?

②シャロン・ストーン

次は、シャロン・ストーン。彼女は1958年生まれです。

「氷の微笑」は1992年の公開映画で、
シャロン・ストーン34才頃でしょうか?
男の子3人を養子にしているそうですね。

③ブリジット・バルドー

次はブリジット・バルドーです。
ベベは1934年生まれですので、御年78才です。

深く刻まれたシワやタルミはあっても、
イボや目立つシミは見当たりません。

ですので、最低限の手入れ(目立つシミやイボの治療)は
行なうが、それ以上のシワ治療などは自身の意志を持って
行なわないで自然体を通しているのだと思います。
メリル・ストリープ(64)や、オードリー・ヘプバーン
(満63歳没)、キャロライン・ケネディ駐日大使の顔には
年齢にみあうシワが見られ、「自然」とも評されます。

④ジェーン・バーキン

ジェーン・バーキンは1946年生まれですから、現在は60歳台後半。

因みに私の大好きなCDは、日本限定発売の
1997 – The Best Of(ベスト・オブ・ジェーン・バーキン)です。
夫であったセルジュ・ゲンスブールとの歌も入っています。
私は10数年前に一度サルトルやボーボワールも眠る
モンパルナス墓地を訪問しました
(サルトルよりもゲンスブールの墓の方が献花の量は多かったです)。

2011年、日本の東日本大震災の発生を受けて、
ジェーンは4月6日という早い段階で来日し、
「ジェーン・バーキン震災復興支援コンサート Together for Japan」
を行いました。
また、コンサート当日は直前まで渋谷の街頭で募金活動を行った
ことも知られています。

⑤シンディ・ローパー

シンディ・ローパーは1953年生まれですから、御年59才です。

「タイム・アフター・タイム」「トゥルー・カラーズ」
などなどでおなじみですね。

2011年3月11日に起きた日本での東日本大震災の直後、
日本でのコンサートツアーのために来日(彼女の乗った飛行機は
地震による閉鎖のため成田空港に降りられず、
米軍横田基地に着陸した)。他の海外ミュージシャンが
日本での公演を中止して帰国ないし、来日をキャンセルし、
レコード会社からも帰国するように勧められていた中、
2011年3月16日から、予定通りコンサートを行いました。
更に会場でチャリティのための募金を呼び掛け、
コンサートをチャリティイベントにもしました。

2011年3月4日アルゼンチンのブエノス・アイレス空港で、
フライト遅延や欠航が続出し、空港側に抗議が殺到する中、
たまたまその場にいたシンディはその状況をみかね、
いきなり空港のアナウンスのマイクをひっつかみ、
「Girls Just Wanna Have Fun」を歌い出したところ、
突然の空港ライヴにその場の乗客や乗務員も大喜び、
みんなと大合唱となり、みんなの表情は一変して
歓喜の笑顔になり乗客たちの怒りを収め楽しませました。
続いて「True Colors」もアカペラで歌ったそうです。

すごいですね。じーんときちゃいます。
「大切なのは外見ではない、中身だぞ」と思い知らされます。

⑥オードリー・ヘップバーン

誰もがご存じのオードリーです。
今でも多くの方にその美しさと生き方を支持されているの
ではないでしょうか?

引退後は、内戦が続いていたソマリヤやスーダンを訪問したり、
ユニセフ親善大使として活動していましたよね。

彼女の有名な言葉をスライドには引用しています。
シワによってますます美しく輝いて見えます。

さて、私ならどうなるでしょう?

①確かに私の腹には脂肪が増えました。でも私は脂肪の分
だけ優しさを知りました。

②確かに私の頭の髪の毛は減りました。私はその髪の毛の分
だけ優しさを捨てました。

などなど夢想は広がります。

皆さんは、どんなフレーズを連想しますか?

”Pillow Face”って言葉をご存じですか?

ご興味があられる方は、一度検索してみて下さい。
沢山の画像が出てくると思います。

頬が不相応にパンパンであったり、若い頃よりも頬の
ピークの位置が上にあったりで、きれいではある
けれども、少し不自然で違和感を覚えます。

ショービジネスに身を置く方々は別として、我々一般人は、
全体とのバランスも考えて、そこそこの若返りが
似合っていると思うのですが、皆さんはどう思われますか?

諺にもあります。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」

さて、

「不自然」「違和感」ときたところで、
今度は下記の写真を見て頂きたいのです。

「ニコールの硬直ぶりが顕著に出ているのは、
彼女が扮する主人公ベッカが愛する息子を失うシーン。

突然の出来事でぼうぜん自失の究極の驚きと
悲嘆を表現するに重要なシーンで、

さすがの演技力を見せつけているのだが、大口を開けた
表情がすっかり固まってしまっている。」
(Cinema Today 2011年11月8日の記事より引用)

映画『ラビット・ホール』より、ニコール・キッドマン 43才頃

前額へのボトックスの「効かせすぎ」が不自然さになっています。
女優だからこそ、よけいに不自然さが指摘されるのでしょうね。

今はどちらかというとマイルドな効かせ方が好まれる
傾向にあるようです。

10年くらい前はまだ日本でもバッチリ効かせたい人が
多かったように思います。

個人的にはマイルドな方が好みです。前額や眉間、目尻に
しても強い表情をした時には幾分でも表情ジワがでる方が
自然ですし、何気ない表情をするくらいではシワ形成が
抑制されていれば十分に予防効果を期待できると思っています。

このあたりも好みによってどちらを支持するのか分かれる
のかも知れません。

次も私自身は「ついて行けないな~」と思う事例です。
皆さんは彼女のこの行為・変化をどう思われますか?

2010年のピープルマガジンの記事です。

私などが見ても、きれいな女性がさらに美しく(?)
なった、くらいにしか思いませんが…

魅力的というのでは語弊があるかも知れません。
眉があがって怖い、胸が巨大、それに比べてウエストなどの
脂肪がなさすぎて女性の魅力でもある丸さがないようにも
感じるのですが…

この変化を見せられると、どうも首をかしげたくなります。
23才でこの容貌(顔貌)は、正直きれいだけど、怖い。
個人的な感想ではあるけれど、よっぽど施術前の顔に一番好感を覚えます。
これは、アメリカの読者も同様の感想だったようです。

別名「キャット・ウーマン」として知られるジョスリン・ウィルデンスタイン

最後にご紹介するのは、長年にわたって美容整形を続けた最も悲劇的なケース。

写真上は、ニューヨークのソーシャライトで、別名「キャット・ウーマン」
として知られるジョスリン・ウィルデンスタイン。
「下の写真はそんな彼女の美容整形の歴史であるけれど、
決して美人ではないものの極めてまともだった時代から、
どんどん人間とは判断しにくい容姿になっていく姿は
恐怖させ感じさせるもの。またヘア・スタイルやカラーも、
どんどん変えているけれど、それが どんどん不自然で
恐ろしくなっていく顔と相乗効果で、プラスティック・ホラー
を演出しています。」
との感想が書かれているけれど、皆さんも同感なのではない
でしょうか?

「心の闇」とでも言いたくなりますが、この闇は誰にでも
ありそうです。闇の深さは人それぞれなれど…

ミルディス皮フ科
理事長 村上 義之

美容治療入門3

2021年08月23日

どこから始めるか?どこを目指すか?

・後から出てきた変化の解消から始める 
*対処が困難(効果が出にくい)な部位もあり

・効果の出やすい(わかりやすい)とことろから始める

・費用対効果の大きいところから始める

・ダウンタイムの少ない施術から始める

・目立つ(本人が気にする)ところから始める

*正面に位置する、コントラストが大きい、
凸凹が大、左右対称性を著しく損なう部位など

・ 5~10才前を目指す
*部分だけではなく、全体のバランスを考えて 

そのために考えること

1.表面の凸凹を解消

2.表面の色ムラを解消

3.全体での比率(プロポーション、バランス)
を考える:黄金比、白銀比など

4.各パーツの形を考える:
鼻の形、眉の形、口唇の厚み、眼の形

5.左右対称性を出す

追記
余り完璧すぎると親近感がない、などから敬遠される。
あえて少しAsymmetryの部分を残す。
ホクロ、えくぼなどのチャームポイントあるいは
特徴づけるポイント(アイデンティティー)

例えば、マリリン・モンロー、日本の芸能人でも南野陽子、
宮沢りえ、渥美清(寅さん)などなど。
泣きぼくろ、などいくつかの言葉もあります。

それとは別に、風水やその他占いに準じて、運気に
関連づけされることも少なくないようです。

千昌夫は開運目的でトレードマークでもあった前額の
ホクロを除去しています。

「着崩す」という言葉があるように、ファッションでもこうした
傾向があるようですね。
総じて、上級者に当てはまる手法ではないかと思います。

 ↓
この「70%を狙え」という意味合いを上手くお伝えするのが難しい。

女優さんやモデルさん達は元々が70~80%以上の方達なので、
完璧を崩すことによって好感度を含めて90%へアップするのだと思います。

受診・治療に際して考えて頂きたいこと(お願い)

1.自身が考える自身の問題点の把握と優先順位をつける

2.治療に際して、どこまでの治療を許容・受諾可能か?

  a. 外科的手術

  b. スレッド、注入剤使用(針を刺す行為を伴う)

  c. FillerはOKでも、BOTOXに抵抗がある? ということはないか

  d. 機械治療ですぐにメイク可能であれば多少の痂皮形成は許容範囲か?

  e. 痂皮形成するものは考慮外

  その他、痛みに対して強い方か弱い方か

3.初期治療だけではなく、メインテナンスも考える

ミルディス皮フ科
理事長 村上 義之

乳酸菌生産物質4『腸内環境を整えるために』

2021年08月20日

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1)食生活の改善

よく言われるように、豆類(大豆など)、海草類
(わかめなど)、野菜やイモ類、魚、キノコ類、玄米、
ヨーグルトやキムチ・味噌などの発酵食品を積極的に
摂取しましょう。

ヨーグルトの選択について、アレルギー、肥満、免疫強化
など目的が定まっている方はそれらの機能性を強調した
製品を選べばよいでしょう。

特にブランドを決めず、むしろ種類を変えて色々なものを
摂取するようにしている方もおられます。
バナナ、はちみつ、オリゴ糖、乳酸菌生産物質などを
トッピングして食べてもよいでしょう。

2)運動

 無理のない運動習慣がつくとよいですね。

3)サプリメント

  • プロバイオティクス:「ビオフェルミン」、「ビオスリー」、
    「ラックビー」などの整腸剤を利用

医薬品、市販品含めて多数の製品があり、それぞれに配合菌が
異なっていたり菌配合量に違いがあったりします。
効果発現も穏やかなことが多いこともあり、自身に
どれが適合しているかの判断は実際に試して見る以外に
なかなか方法がないのが現状です。

  • プレバイオティクス:スーパーやドラッグストア、通販で適宜購入

・食物線維:イヌリン、デキストランなど。
・オリゴ糖:各種

一般的に売られているオリゴ糖としては、イソマルトオリゴ糖、
フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、
乳果オリゴ糖(ミルクオリゴ糖)、ラフィノース(ビートオリゴ)、
キシロオリゴ糖などがあり、様々な区分けや呼び方がされます。

ミルクオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、
ラフィノースなどが整腸作用目的で比較的使用されて
いるようです。
味や値段も様々でご自身にあったものを選ぶとよいでしょう。

  • バイオジェニックス

・乳酸菌生産物質:総合的な作用を期待した製品
・エクエル:より女性の更年期などをターゲットにした製品

大塚製薬から販売されている「エクエル」は女性ホルモン様
作用を有するエクオールを産生する乳酸菌などの腸内細菌を
用いて体外で大豆を発酵させた製品ですから、これも
バイオジェニックスにあたります。
含有するエクオールの抗酸化作用で目尻のしわを減少させる
など肌の老化を抑えます。
エストロゲン様作用によって更年期症状を和らげたり、
骨粗鬆症(骨の老化)を防ぎます。さらには血糖状態を示す
ヘモグロビンA1c(HbA1c)の低下、高脂血症の重要因子
となる悪玉コレステロール(LDL-C)の低下、
そして動脈硬化の指標となる心臓足首血管指数(CAVI)の
改善することが報告されています。

個人的な推測にすぎませんが、乳酸菌生産物質には自身が
持っているエクオール産生菌をも増やす可能性があるのでは
ないかと思っています。
併用することによって相加相乗効果が得られるかも知れませんね。

「乳酸菌生産物質」の類似品原料はバイオジェノミクスも含めて
複数のメーカーから販売されています。
残念ながら、各社の原料について種々の観点から比較したデータ
はありませんが、選定にあたっては培地の元となる大豆に
国産の有機栽培大豆を使用し、さらに大豆の劣化を防ぐために
氷温保管を行なっていること、培地も大豆を丸ごと使用して
「おから」やその他の大豆の栄養成分を取り除くことの
ないよう新たに開発された「豆乳様培地」を使用している
(従来の豆乳培地では、製造過程でおからが取り除かれて
しまうため、食物線維やその他栄養成分が損なわれています)、
培養行程や濾過工程なども徹底した品質管理が行なわれている、
産学共同研究でのエビデンスを有していることなどから
バイオジェノミクスが非常に優れたメーカーであると
確信しています。

原材料へのこだわり:有機栽培国内産大豆を使用

1次培養→二次培養→三次培養(単菌培養から複合培養)

3日間の本培養後に濾過  

 クリーンルーム内での充填

5)乳酸菌生産物質のエビデンス(科学的根拠)

バイオジェノミクス社が取扱う乳酸菌生産物質は
産学共同研究によって種々のエビデンスが得られています。

[エビデンス項目]

・ 乳酸菌生産物質 の血圧上昇抑制作用
・ 乳酸菌生産物質 の脂質代謝への比較
・ 乳酸菌生産物質 の非肥満Ⅱ型糖尿病モデルラットに対する血糖上昇抑制効果
・ 乳酸菌生産物質 のガン細胞増殖抑制効果とその応用に向けて
・ 乳酸菌生産物質 の糖尿病ラットに対する血糖値上昇抑制効果
・ 乳酸菌生産物質 投与ラットのコレステロール代謝への影響
・ マウスを用いた乳酸菌生産物質の骨粗髮症予防効果の検討
・ 乳酸菌生産物質(うがい剤)の口臭抑制効果に関する臨床試験
・ 乳酸菌生産物質の肌質改善効果に関する臨床試験

6)「乳酸菌生産物質(顆粒粉末)」含有商品:「フローラル ケア」

乳酸菌生産物質の原液(乳酸菌群21菌株を中心に共棲培養
という特殊な方法で培養・強化し、得られた代謝産物を
濾過・精製し抽出した発酵エキス)を40%使用し、
サイクロデキストリンにて粉末加工した商品です。(レモン風味)

 飲み方の目安
1日1.5g(1包)~3.0g(2包)を目安に、お湯またはお水と
ともにゆっくりとお召し上がりください。

 

原材料名

乳酸菌生産物質、デキストリン、乳糖果糖オリゴ糖、
サイクロデキストリン、 クエン酸、香料(レモン)、ビタミンC、
甘味料(スクラロース)
※原材料の一部に大豆成分を含んでいます。

栄養成分(100mlあたり)

エネルギー5.7kcal
タンパク質0.0g
脂質0.0g
炭水化物1.4g
ナトリウム0.1mg



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医療法人社団 精華会
ミルディス皮フ科 村上 義之

乳酸菌生産物質3『乳酸菌生産物質とは』

2021年08月20日

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3)乳酸菌生産物質とは:「バイオジェノミックス」のHPより

————————————————————————-

乳酸菌生産物質』とは、乳酸菌、すなわち善玉菌によって
作り出される発酵代謝産物を有効成分として、腸内フローラを
介さず直接作用する特徴をもった物質です。
近年、乳酸菌業界で区分されている(※1)プロバイオティクス、
(※2)プレバイオティクスのどちらにも属さない
(※3)バイオジェニックスという新たな分野として
存在しております。

バイオジェニックスの語源は”biogenic-
「生物により生成された」”という意味があり、
(株)バイオジェノミクスでは数多くの微生物(自社菌株)を
保有し厳重に管理しております。

人由来の菌株から動物由来、植物由来菌株までの同定試験を
終えた菌株を、凍結保存および凍結乾燥アンプルとして
保管しており、現在、新たな新規微生物株(植物由来菌株)
を収集し、分離、探索を進めております。

このような菌株を日々強化・培養し、乳清培地や豆乳培地
にて長時間共棲培養を行い、濾過・精製し得られた原液を
乳酸菌生産物質』として様々なニーズに応じた
商品提供を行っております。

(※1)プロバイオティクス:生菌として腸内フローラを介して機能するもの
(※2)プレバイオティクス:腸内有用菌を増殖させて機能するもの
(※3)バイオジェニックス:腸内フローラを介すことなく直接機能するもの

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まだまだわかりにくいかも知れないので、ここでも
提供頂いた資料を一部改変してお見せします。
乳酸菌(善玉菌)が作り出した物質(乳酸菌生産物質)が
あることによって、腸内では乳酸菌を始めとする善玉菌が
増殖しやすい環境となり、悪玉菌を減少させてバランス
を整えるように作用してくれます。

健康に良いとされる乳酸菌は、乳酸菌そのものの働きよりも、
乳酸菌が作り出す産生物質にこそ大きな力があると
言われており現在注目を集めています。

乳酸菌生産物質は「乳酸菌(生菌利用)」そのものではなく、
選び抜かれた複数の善玉菌を1次培養(単菌培養)から始まり、
2次→3次→4次(本培養)迄の工程を共棲培養という特殊な
培養法によって得られた発酵代謝産物の総称です。

そもそも、微生物には何かを取り込み何かを作り出す
という特徴があります。
本来、健康に良いとされる腸内の善玉菌に於いても、
私たちの食事を栄養源とし、さまざまな有効物質を
産生し健康維持へと貢献しています。

健康に良いとされる乳酸菌は、乳酸菌そのものの
働きよりも、乳酸菌が作り出す産生物質にこそ大きな
力があると言われており現在注目を集めています。

乳酸菌生産物質は「乳酸菌(生菌利用)」そのもので
はなく、選び抜かれた複数の善玉菌を1次培養
(単菌培養)から始まり、2次→3次→4次(本培養)迄の
工程を共棲培養という特殊な培養法によって
得られた発酵代謝産物の総称です。

そもそも、微生物には何かを取り込み何かを
作り出すという特徴があります。
本来、健康に良いとされる腸内の善玉菌に於いても、
私たちの食事を栄養源とし、さまざまな有効物質を
産生し健康維持へと貢献しています。
※(例)納豆:納豆菌(バチルス菌)が蒸した大豆を
栄養源とし取り込み発酵し、ネバネバ状(納豆キナーゼ)
を作り出す。

私達の腸内細菌も同じく、毎日の食事を栄養源とし
さまざまな物質を作りだしています。

このとき大事な事が2つあります。
1つ目は「腸内細菌のバランス」即ち善玉菌が優勢か
悪玉菌が優勢かという事。
2つ目は「入ってくる栄養源の問題(食事=腸内細菌の
エサとなる)」です。
善玉菌が好む食習慣なのか、それとも悪玉菌が好む
食習慣なのか。
現代では、乳酸菌そのものを取り込む考え方よりも
乳酸菌が作り出す「産生物質」こそが私達の健康のカギを
握っていると言われています。
(村上医師コメント)

また、プロバイオティクスについて「生きて腸に届く」と
いうことが余りにも強調されていますが、たとえ
「生きて腸に届いた」としても一定期間の経過を
経て死滅あるいは体外へ便として排泄されてしまいます。
決して自身の菌以外は生着しないこともわかっています。

また、プロバイオティクスの効用は、じつは乳酸菌などが
死んでいても生きた菌と同様の効果があることも、
最近の研究で明らかになってきています。
(定義ではこうした死菌を摂取する場合はプロバイオ
ティクスではなくなります。こうした商品も実際に
販売もされています)
だからこそ、より大切なのは自身の善玉菌を育て増やす
「育菌」なのだと思います。

但し、プロバイオティクスによっても一定の効果が
得られますし、継続することで下記のような様々な
効果も期待されており、比較的安価であることからも
継続して摂取することをお勧めします。

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光岡知足:プロバイオティクスの可能性 :
明治「ヨーグルトの研究者たち」より引用

プロバイオティクスの代表的食品であるヨーグルトなどをとると、腸の中に生息する善玉菌であるビフィズス菌が増殖し、ウェルシュ菌などの悪玉菌を抑え、腸内細菌のバランスを整え腸内環境を良いものにしていきます。これは、糞便中の腐敗産物の減少、便の臭いも少なくなることでわかります。腸内に棲んでいるビフィズス菌が作り出す乳酸や酢酸が腸を刺激して、ぜん動を活発にするので、便通もスムーズになります。このことは、大腸ガンや乳ガンの予防にも有効です。これが「お腹の調子を整える(整腸作用)食品」に認められている表示内容です。

まだ表示内容としては認められていませんが、プロバイオティクス
関連の学会では、次のような効用がすでに認識されています。

●カルシウムと乳酸が結合することで、カルシウムの吸収率が
良くなります。

●タンパク質からは、乳酸発酵により牛乳の約4倍の必須アミノ酸
ができて肝臓の疲労をとり、強くします。

●豊富に含まれているビタミンA、B2は胃の粘膜の抵抗力を
高め、修復する働きをします。

●ビタミンA、B1、B2、パントテン酸、ビオチン、コリンなどが
含まれ、疲労回復や肌に潤いを与えます。

●バランスの良い栄養分と優れた消化吸収で、乳幼児や病気の人、
お年寄りなどの栄養補給に最適です。

●血液中のコレステロール値を下げる働きをします。

●ラクトトリプチドなどが含まれていたヨーグルトは、
高血圧を積極的に予防します。

●乳酸菌の菌体自体が免疫力を高めます。

●食物繊維と同様の働きをする乳酸菌の菌体成分が、
腸内フローラのバランスを改善し、血糖値の急上昇を抑え、
糖尿病の予防、治療に効果があります。

●生きた乳酸菌自体が乳糖分解酵素を持ち、乳糖を分解するため、
牛乳では腹痛や下痢を起こす体質の人も、ヨーグルトなら安全です。

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(村上医師コメント)

(株)バイオジェノミックス製品の乳酸菌生産物質に含有される主要
代謝化合物を示します。

短鎖脂肪酸
乳酸/コハク酸/酪酸/酢酸/吉草酸

必須アミノ酸
ヒスチジン/リシン/トレオニン/フェニルアラニン/ロイシン/
イソロイシン/メチオニン/バリン/スレオニン/トリプトファンなど

遊離アミノ酸
遊離オルニチン/GABAなど

アミノ酸
アスパラギン酸/プロリン/チロシン/アラニン/グリシン/セリン/シスチンなど

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トリプトファンは5-HTPという代謝物質を経て、脳内物質『セロトニン』、
睡眠ホルモン『メラトニン』、肥満の改善効果があるナイアシンなど、
人間の健康に欠かせない物質に変換される必須アミノ酸です。
人体内では作れませんから食事から摂取する必要があり、
サプリメントとしても販売されています。

セロトニンの生成

セロトニンは心のバランスを整える作用のある伝達物質で、
セロトニンが不足するとうつ病不眠症を引き落とすと
言われています。
また、セロトニンは、『睡眠ホルモン』メラトニンの分泌を促す
脳内物質でもあります。

メラトニンの生成

メラトニンは脳内物質『セロトニン』によって分泌される
ホルモンで、 メラトニンは正常に生成させることで自然な
生活サイクルの維持と不眠症の改善が期待される、『睡眠ホルモン
と言われる物質です。
(トリプトファンがセロトニンを生合成し、セロトニンが
メラトニンの分泌を促進するという関係があります)
 メラトニンの生成には太陽などのが密接な関わりがあり、
2500ルクス以上の光(太陽光、または人工的な強い光)を
浴びると脳内で生成され、およそ14時間後に分泌されます。

メラトニンが分泌されると、体温・脈拍・血圧を下げ、
眠気を誘発します。
つまり、メラトニンは『朝目覚めてから太陽光を浴び、
夜になると自然と眠くなる』、という人間の自然な
生活サイクルを作っているわけです。
この自然な生活サイクルが崩れる(夜型の生活を続ける
などして)、セロトニンが不足する、などすると、
メラトニンがうまく生成できなくなり、不眠症などを
引き起こす原因となります。

ナイアシンの生成

トリプトファンからナイアシンが肝臓において
生合成されます。 ナイアシンは糖質・脂質・たんぱく質を
代謝・分解するビタミン(B3)で、以下のような
働きが知られています。
 ・皮膚や神経を健康に保つ
 ・血行を良くし頭痛や冷え性の改善
 ・コレステロールや中世脂肪を下げる→肥満の改善
 ・二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解する

ナイアシンが不足すると、皮膚炎、口内炎、神経炎、
下痢などの症状が生じる場合があります。 
逆に、過剰・高用量の摂取により、皮膚が赤くなる、
痒くなる可能性、肝障害を発生する可能性、血糖値・
尿酸値を上昇させる可能性があります。

引用:(http://www.human-sb.com/tryptophan/

————————————————————

その他にも、GABAは、脳に存在する抑制系の神経伝達物質
として、ドーパミンなど興奮系の神経伝達物質の過剰分泌を
抑えて、ストレスを和らげ、興奮した神経を落ち着かせる
(リラックスさせる)働きをしています。
チョコレートで言われる効能の一つでもあり、
よく知られていますよね。

要は、短鎖脂肪酸や必須アミノ酸、遊離アミノ酸など
多数の有用な成分が含まれていることも一つの特徴です。

短鎖脂肪酸も腸管上皮細胞の増殖やエネルギー源として
ばかりではなく、腸管内pHを下げて弱酸性の環境に
することで悪玉菌(腐敗菌)の繁殖を抑えることも
知られています。
上記には記載していませんが、含有されているコハク酸には
ニキビ菌の増殖を抑制する作用もあると報告されており、
ニキビ治療へのプロバイオティクスやバイオジェニックスの
内服のみならず外用での併用も検討されています。

将来的には少しずつでも個々の成分の作用がもっと
明らかになってゆくことでしょうし、そうなるとさらなる
発展があるものと期待されます。

乳酸菌業界の歴史

以前は皆さんご存じのように生きた乳酸菌を含む
ヤクルトを代表とするプロバイオティクスが主流
でしたが、その後は善玉菌のエサになるオリゴ糖や
食物線維などのプレバイオティクスの重要性が
認識されるようになり、平成以降にようやく
バイオジェニックスという乳酸菌の代謝産物を
中心とした製品の有用性が次第に知られるよう
になってきています。

しかしながら、まだまだその認知度は決して
高いとは言えない状況にあります。
これら3種類を併用したほうがより腸内環境を
整えるにはよいはずです。

菌代謝物が体内へ

我々の腸管内では定着している腸内細菌の働きによって
摂取した食物を元にして種々の物質が産生され、
それら生産物質が腸管内の細菌に働きかけたり、
あるいは直接的に腸管内から吸収されてある種の
作用を及ぼしていると考えられます。

その産生される物質が善玉菌と悪玉菌では異なり、
その結果として生体に及ぼす作用も異なってしまいます。
だからこそ、あらかじめ体外で善玉菌が産生した物質を
摂取する効率の良さがおわかりいただけると思います。

乳酸菌生産物質添加培地での悪玉菌の培養実験

以下のグラフでは乳酸菌生産物質の効果の一端が
よく解るのではないかと思います。
赤い矢印が示しているのは、乳酸菌生産物質を
添加していない培地では3時間以降に急激に
悪玉菌の代表である大腸菌が増加している
のに対して、3%、5%、10%の乳酸菌
生産物質を添加している培地では大腸菌の増殖
が抑えられています。
すなわち、乳酸菌生産物質の中に悪玉菌の増殖
を抑える物質が含まれていることが解ります。

では、まとめです。
腸内環境を改善するためには、自然界の生菌を摂取して
その菌が自身の腸内で有効物質を産生することも有用
ではあるが、決して生着することはない。

だから自身の善玉菌を育てる「育菌」が大切だけれども、
オリゴ糖や食物線維は悪玉菌の増殖にもなりうる。
であれば、体外にて善玉菌に有効物質を作ってもらい、
それらをエキス(乳酸菌生産物質)として摂取する
ほうがよいのではないか!という流れです。

しかも、その善玉菌が作る有効物質の中には自身たち
善玉菌が増えて悪玉菌を排除するような物質も
含まれていることがわかってきており、
乳酸菌生産物質はそういう意味ではバイオ
ジェニックスではあるけれどもとても優秀な
プレバイオティクスでもあるわけです。

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乳酸菌生産物質1『腸内細菌の働き』

乳酸菌生物乳酸菌生産物質2『善玉菌と悪玉菌』

乳酸菌生産物質4『腸内環境を整えるために』へ続く


医療法人社団 精華会
ミルディス皮フ科 村上 義之

乳酸菌生産物質2 『善玉菌と悪玉菌』

2021年08月20日

腸内細菌についての復習から始めましょう。
なお一部資料は乳酸菌生産物質を作っている
(株)バイオジェノミックスより許可を頂いて転載しています。

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私達の腸内には100種類、100兆個もの細菌が棲んでおり、ビフィズス菌の
ような善玉菌もいれば、大腸菌などの腐敗菌に代表される悪玉菌もおり、
また健康状態によって善玉菌の働きをしたり、悪玉菌の働きをしたりする
日和見菌が存在します。これらの腸内細菌が一定のバランスで腸内環境を
保ち、健康の舵取りをしているのです。

 

腸内細菌のバランスは年齢とともに悪くなる?

 善玉菌を代表する「ビフィズス菌」は赤ちゃんの頃が
最も多く、大腸内の腸内細菌の95~100%を占めると
言われます。
しかし赤ちゃんが離乳食を摂るようになると、
腸内細菌のバランスは成人のパターンへと変化し、
全体の10~20%程度に善玉菌が減少します。
老年期になると、ビフィズス菌はさらに減少し、
全く検出されなかった個体も見られるようになります。

なぜ、善玉菌を増やすことが大切なの?

私達が毎日摂取する食事は、腸内細菌によってさまざまな
物質へと変換され、腸壁を通じ、体内へと取り込まれます。
しかし、腸内細菌のバランス(善玉菌・悪玉菌)により
変換される物質が大きく異なってくるのです。

このことから、腸内細菌のバランス状態は栄養の消化、
吸収、代謝、免疫等にさまざまな影響を及ぼすと
言われています。
善玉菌優勢のバランスによって、毎日の健康維持を
目指しましょう。

「善玉菌優勢」だからといって安心してはダメ?

前項で述べた通り、善玉菌優勢の腸内環境にする事は
とても大切です。

しかし、現代の日本では急激な食生活の変化に伴い、高脂肪、
高タンパク、低食物繊維、食品添加物の摂取が「生活習慣病」の
一因とされています。
50年前と比較し肉類摂取量は10倍以上に増えました。
必要以上の脂肪分は腸内細菌により有害物質へと変換されて
しまいます。
一時的に善玉菌が優勢な状態だとしても、毎日食べる食事内容が
悪ければ、すぐに悪玉菌優勢となり有害物質へと変換
されてしまいます。
良い腸内環境(腸内細菌バランス)を維持する為には善玉菌の
好む食事を意識して摂取する事もとっても大切な事なのです。

結局、痩身と同様にここでもでてくるのは
「食生活」「運動」「ストレス」など日常生活と密着した
事柄であり、日々の生活習慣を大幅に改善しないかぎり
私のお腹の「夜明け」はほど遠いように思われます。

しかしながら、私を含めて個々人にはのっぴきならぬ事情と
いうのもあり、おいそれとは改善できないのが悪しき習慣
でもあります。

私は1)2)3)それぞれに自分なりのゆるい目標を
たてるとともに、4)を取り入れることにしました。

だって、酒も飲みたい、肉も好き、時にはピザや
ラーメンも食べたい、運動苦手、ストレスだらけで減る
予定なしなので頼らざるを得ないのが実情です。

1)食生活の改善
2)運動習慣の確立
3)ストレスをなくす
4)サプリメントや健康補助食品などの活用

4)の主軸で注目されているのが乳酸菌生産物質です!

乳酸菌生産物質3へ続く…

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医療法人社団精華会
ミルディス皮フ科 村上 義之

乳酸菌生産物質1『腸内細菌の働き』

2021年08月20日

腸内環境改善のための乳酸菌生産物質とは?
豆乳+乳酸菌・ビフィズス菌 を発酵させたものが「乳酸菌生産物質」です。

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乳酸菌生産物質

腸の善玉菌がプロバイオティクス、善玉菌のエサになるのが
プレバイオティクス、両者をあわせたものをシンバイオティクスと
呼んでします。
乳酸菌生産物質はそれらとは異なり、バイオジェニックスと
呼ばれています。

今回は腸内環境改善のお話です。何故皮膚科で腸の話?
少々おつきあい下さい。

内容

  • 1)腸内細菌の働き
  • 2)腸内細菌:善玉菌と悪玉菌
  • 3)乳酸菌生産物質とは
  • 4)腸内環境を整えるために
  • 5)乳酸菌生産物質のエビデンス(科学的根拠)
  • 6)乳酸菌生産物質「フローラル ケア」

1)腸内細菌の働き

「腸内環境を整える」ことの重要性については、
2015年には多数のテレビ番組や雑誌の特集、さらには
一般書籍も多数出版されましたので一気に多数の方に
認知されたように思われます。
目にされたことでしょう。
「Tarzan No. 669」もその中の一つで、わかりやすく
まとめられています。
マーティン・J・ブレイザーの
「失われて行く、我々の内なる細菌」(みすず書房)や
NHKスペシャル取材班の「やせる!若返る!病気を防ぐ!
腸内フローラ10の真実」なども2015年に発売されています。

Tarzan No. 669

アナタしか救えない「環境問題」が、ココにある!
研究が進む腸内環境にフォーカスする特集が登場。
日本人の腸内環境の実態から、腸年齢チェック、
整腸薬・胃腸薬ガイド、腸に効く食材番付、
運命の乳酸菌の探し方などなど。もちろん、
腸内環境を整える10のまる必テクも紹介。
気になる、身になる保存版です。

内容の一部を「乳酸菌プロデューサー」氏がブログで
紹介されていますので、参考にして書店やネットで
購入してください。

http://ameblo.jp/lactic-p/entry-12016208870.html

腸内環境改善が何故必要なのか?

皆さんよくご存じのように、腸内環境を改善が必要なのは
何も便秘解消のためだけではありません。

腸は第二の脳とも言われますし
「腸―脳 相関:gut brain axis」という言葉も耳にするように
なってきました。

腸内環境を改善する(善玉菌を増やす)と精神(心)に
どのような変化が起きるかについての研究も多く
行なわれています。
腸内細菌の代謝物を一括して調べるメタボローム解析も進み
腸内の細菌叢が免疫や消化だけでなく、神経系にも
関与しているのではないかとの報告が相次いでいるが、
それらの根拠の一つは、腸内細菌の代謝物を一括して
調べるメタボローム解析によって細菌の一部が、
ドーパミン、セリン、Nアセチルアスパラギン酸などの
神経伝達物質を作り出していたことや
還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)
などのエネルギー代謝に関連する物質をも作り出している
ことも分かってきています。
腸内細菌叢が脳や心の状態と密接にリンクして、
うつ病や認知症などと関連している可能性も言われて
きています。

—————————————————————–

例えばここ10年で2倍に増えたうつ病ですが、セロトニン
など神経伝達物質の不足や腸内細菌の減少が原因と考えている
研究者もいます。
神経伝達物質とは脳内の細胞間の連絡に必要な物質で、
代表として次の3つのアミノ酸が鉄分や葉酸、ビタミンB6の
作用により化学変化して作られます。
グルタミンからはGABAが作られ、栄養素として取らな
ければならない必須アミノ酸であるフェニルアラニンからは
ドーパミン、そしてトリプトファンからはセロトニンが
作られ、それぞれリラックス感ややる気や幸福感を
もたらします。

これらはすべて脳内で作られているのではなく、ほとんどが
腸で作られていて、セロトニンは95%が腸内で合成されています。
このセロトニンは幸せ物質とも言われ、その多くが脳に
達すれば幸福感も倍増と考えたいのですが、セロトニンは
脳血液関門という関所を通ることができず、脳内に入れません。
かえって増えすぎると過敏性腸症候群を引き起こしてしまう
ともいわれています。

そこで、うまく働くのがこれらの前駆物質
(セロトニンでいえば5-HTP)です。
前駆物質は脳血液関門を通過できるので脳で神経伝達物質
に変わり脳に作用することができます。

つまり、腸内細菌が沢山の前駆物質を作ると脳に
送られて幸せ物質となり、良好な精神状態が作られます。

ストレスによって腸内細菌が減少するなどの現象は
動物実験だけでなく、ヒトにおいても怒りや不安、恐怖
などの心理的ストレスによって腸内細菌叢が
変化することも知られています。
傾向としてはストレスにて善玉菌が減少し悪玉菌が増加。

ストレスが腸内細菌叢を変化させる機序としては
神経系やホルモン、サイトカインなど共通の情報伝達物質と
受容体を介した免疫機能抑制や腸管運動の変動を介した
間接的影響が考えられていましたが、
最近ではストレスによって腸管局所で産生されるカ
テコラミンなどによって、大腸菌などの種々の菌の
病原性が増強することも判明してきているようです。

また、神経や脳の発達や反応に腸内細菌叢が影響を
与えていることもわかってきています。

また、無菌マウスと普通に腸内細菌がいる通常マウスを
使った実験では、ストレス負荷によるホルモンの反応が
無菌マウスでは強く出て、バランスのとれた腸内細菌が
いる通常マウスでは反応が穏やかだったことから、
腸内細菌にはストレスを抑える力があることがわかりました。

さらに、強いストレス下ではビタミンB6、B12、葉酸が
減りアミノ酸の中間代謝物であるホモシステインが
増えてきます。
このホモシステインは動脈硬化や骨粗鬆症そして
アルツハイマー型認知症の原因となる厄介な物質です。

そもそもビタミンB6や葉酸は腸内細菌が作っている
ものなので、サプリ等で沢山とらなくても腸内細菌を
バランスよく増やすことで補えます。

そして、ビタミンB6や葉酸はセロトニンやドーパミン
またその前駆物質を作るのに必要な物質でもあるので、
腸内細菌が幸せ物質を作ることによりストレスを
和らげる流れが形成されます。

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以上、「つるかめ院長のブログ」より引用改変しました。

何故、皮膚科で腸内環境改善なのか?

「腸―脳 相関」はよいとして、何故に皮膚科で?
と疑問に思われる方も多いかもしれません。
最近では、「腸―脳―皮膚 相関」ということも
提唱されています。
これについては、「場末P科病院の精神科医のblog」で
論文をまとめてくれているので、一部改変も加えて
抜粋引用します。
ご興味がある方は是非一読を。

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「にきび」はうつ病や不安障害、身体醜形障害などにも
リンクしており、「にきび」で苦しんでいる患者では、
うつ病の罹患率や自殺の発生率が高いことが多くの
論文で指摘されています。

皮膚疾患は性格にもマイナスの影響を及ぼすことが
知られており、アトピー性皮膚炎の患者では、抑うつ傾向
や不安傾向が強い、情緒不安定になり易い、
自己効力感が低い、自尊心が低い、他者を批判し易い、
何でも限度を超えてやり過ぎてしまう、ストレス耐性が低い、
怒りや敵意といった他者へのネガティブな 感情をうまく
処理できないことが多い、等の傾向があるとも指摘
されています。

アトピー性皮膚炎においても、腸内細菌との関連性が以前から
指摘されており、にきび同様に、プロバイオティクスの使用に
よって腸内細菌叢を整えておくことで、「腸ー脳ー皮膚 相関」
を介する皮膚への良い補助療法となり得るであろうと報告
されています。

慢性的な皮膚疾患では、皮膚ー脳ー免疫系とのリンクによって、
不快な皮膚刺激→中枢神経系への悪影響(HPA相関の障害)
→免疫系の障害(炎症性サイトカインなどの増加)
→皮膚におけるアレレギー反応や炎症性反応の増加
→表皮のバリア機能の低下
→不快な皮膚刺激といった悪循環が生じます。

ストレスで悪化する皮膚疾患は、にきびや酒さ以外にも、
アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、多汗症、神経症掻破、
貨幣状皮膚炎、掻痒症、乾癬、脂漏性皮膚炎、
トリコチロマニア、蕁麻疹など多数知られています。

プロバイオティクスやプロバイオティクス由来の製品の
局所的な使用(生菌や乳酸菌生産物質などの外用)は、
様々な方法によって、にきびや酒さになり易い肌に
とっての利益をもたらします。

第一に、皮膚の表面に生きたままでプロバイオティクス菌が
生存することができれば、その菌株は、患者の皮膚を
保護することができるであろう。
起因菌が皮膚に結合する部位をプロバイオティクス菌が
競合阻害することで、他の有害な微生物のコロニー形成を
防ぐことができる。
もし、細菌が表皮の上で生存できるのであれば、この防護作用の
メカニズムが応用できる。

第二に、ある種のプロバイオティクスの菌株は、抗菌力を
有する物質を分泌する
ことが示されている。
抗生物質がにきびや酒さの起因菌への抗菌や抗炎症の治療
として長い時代にわたって使用されてきたように、
プロバイオティクスは、にきびや酒さの治療としては
ユニークなメカニズムを有し、非常に好ましい抗菌作用を
発揮する代替手段となることが想定できる。

これらのプロバイオティクス菌が産生する物質は、長期使用に
よって耐性を誘導するような抗生物質とは異なるため、
慢性的な皮膚疾患の治療においては、抗生剤よりも
好ましいものになることであろう。

第三に、ある種のプロバイオティクス菌株は、上皮細胞と
接触ように配置された時に、炎症経路や炎症性の
サイトカインの生成を阻害することができる。
慢性炎症は、にきびや酒さにおいて主要な病態を果たしており、
自然な成分による免疫調節物質は 、にきびや酒さの治療に
とって重要な役割を果たし得るであろう。

これらのメカニズムのいくつかは、皮膚で生き残るような
生きた菌株を必要とするが、他の場合では、皮膚に
適用された際に、皮膚や免疫の適正な機能を維持するような
プロバイオティクス菌の溶解物や誘導体を必要と
するのかもしれない。
(=プロバイオ ティクス菌が生き残るよりも、その菌に
含まれている成分が必要かつ重要となる
 (注; 例えば、乳酸菌であるStreptococcus thermophilusが
含まれれいるプロバイオティクスのクリームは、
アクネ菌への抗菌作用や抗炎症作用を示すセラミドや
ホスホリルコリンを産生し皮膚のバリア機能を高めてくれる)

プロバイオティクスの経口使用は いわゆる
腸ー脳ー皮膚 相関」を変化させる ことで、にきびや酒さの
状態に影響を及ぼす可能性がある。
プロバイオティクスとその代謝産物は腸管のリンパ組織と
相互作用し、体の全免疫系の70%に近い 程の免疫力を備えている。

このプロバイオティクス菌と腸管の免疫系の相互作用は、
病原体、アレルゲン、共生細菌に対してどのように応答
すべきかの適切な意思決定を免疫系に訓練させる上で
重要である。

経口プロバイオティクスは、皮膚の炎症性サイトカインの
放出を調節し、さらに動物モデルにおけるインスリンの
感受性を改善するが、にきび患者では高炭水化物食との
関連性が最近の調査で明らかにされている。

興味深いことに、にきび患者では便秘が多く見られる。
便秘は腸内細菌叢の変化と関連しているが、乳酸菌や
ビフィズス菌などの健康的な細菌の低い糞便濃度、
腸管の透過性の高さという所見を伴っている。

心理的ストレスは、細菌の異常増殖を促進し
(注; small intestine bacterial overgrowth 「SIBO」
と呼ばれ、にきびを持つケースでは通常の10倍にも
細菌が増殖していることが示されている)
小腸での通過時間が停滞し、腸管のバリア機能が障害される

同様に、ストレスは、酒さにもリンクしている。
2008年のイタリアの研究では、酒さの患者は小腸における細菌の
異常増殖が高いレベルにあることが示された。
抗生物質であるrifaximinによって小腸の腸内細菌叢の異常増殖は
正常化し、それに伴い酒さも改善し9ヶ月にわたり維持された。

————————————————————————-

皮膚の表面に生きたままでプロバイオティクス菌が生存すること
ができれば、その菌株は、患者の皮膚を保護することができる

→自分の菌以外は、一時的な生着はあるものの、基本的には
生き続けることはありません。
それは腸内細菌と同じです。
だからこそ、自身の善玉菌(美肌菌:表皮ブドウ球菌など)を
増やすことが重要となります。
(株)バイオジェノミクスでは世界初の「美肌菌バンク」を
開設し、自身の美肌菌を採取し、増殖させて本人の肌へ
戻すプログラムを行なっています。
美肌菌の作用として、保湿成分の産生、有機酸の産生による
皮膚表面の弱酸性を維持し、抗菌物質を産生して悪玉菌の
増殖を抑え、皮膚免疫への関与や抗炎症作用が知られています。

プロバイオ ティクス菌が生き残るよりも、その菌に
含まれている成分が必要かつ重要となる

→菌自体は先に述べたように一定期間以上は生存
してくれません。
生死を問わず細菌自体の作用よりも、細菌が産生する
物質がより重要なのです。
だからこそ、乳酸菌生産物質のような成分を外用する
意味がでてきます。

実は乳酸菌生産物質には美肌菌を増殖させる作用が
あることがわかっていますので、黄色ブドウ球菌などの
悪玉菌の増殖を妨げる効果なども期待されています。

ヤクルトからは、ビフィズス菌発酵乳
(ガラクトオリゴ糖を含む)の4週間の継続「飲用」試験を
39名の健常女性に行い、腸内環境の改善を介して角化に
悪影響を及ぼし、フェノール類が減少し、角化が正常に
行なわれるようになった結果、角層細胞の形態的な改善
ならびに角層表面の水分量の減少を抑制した
(乾燥が抑えられた)という報告もなされています。
http://www.yakult.co.jp/institute/report/pdf/science_No17.pdf

このあたりはかなりホットな話題でもあります。
ご興味ある方は下記の論文の概説も参照ください。

http://www.fumimoto-cl.jp/blog/pdf_journal_46.pdf

「常在細菌と皮膚の自然免疫防御システム」

乳酸菌生産物質2 へ続く

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医療法人社団精華会
ミルディス皮フ科 村上 義之

皮膚症状の予防とマスク着用の5つのポイント

2021年08月20日

MRさんから面会時にパンフレットを頂きました。
昨年から皮膚科の中では話題になっているマスク
による肌荒れに関するものでした。

その中でコロナ禍でのタイにおけるマスク着用に
伴う皮膚症状についての論文が紹介されており、
マスク着用に関連した皮膚反応の有病率は何と
54.5%であり、その中で圧倒的に多かったのは
想像通りざ瘡(ニキビ)であり39.3%を
占めていました。

当院にも多くの方が来られましたし、私のおやじにも
青春のシンボルがでてきてちょっと嬉しいやら
恥ずかしいやら思いをしたのを思い出します。

マスクも本当に素材の種類が増えましたよね。

ウレタン素材は呼吸がしやすいので個人的には
好きなのですが、原料となるイソシアネートによる
アレルギー反応が危惧されるとのこと。

でも夏は布などの素材のマスクは厳しいですよね。

本当に早く以前のようなノー・マスク状態に
戻りたいものです。

これからの夏の季節は、とにかく汗の問題が多くなるのでは
ないかと思います。

男性以上に化粧を日常的に行う女性陣は大変だろうなと
思ってしまいます。
昨年のコロナでのステイホーム時に6歳の子供が私に
マスクを作ってくれました。

素材は画用紙ですが、黒く塗られたダースベーダーの
お面マスクでした。
スターウォーズに凝っていてプレゼントされたものでした。

https://starwars.disney.co.jp/character/darth-vader.html

大鵬薬品工業株式会社 大塚篤司先生監修パンフレット 2021.6

「マスク着用に関連する皮膚症状とその対策」より転載

医療法人社団 精華会
ミルディス皮フ科 村上 義之

セラピューティックプログラムを私も体験しました!

2021年08月19日

開始日:2020/10.26~

私もオバジのゼオスキンシリーズの当院への導入を期に、
患者さん達と一緒にセラピューティック・プログラム
を体験しました。

肌診断機であるレビュー撮影も不定期ですが
撮影していましたので、あわせてご紹介します。

セラピューティックでは、短いと3ヶ月、長いと5ヶ月
となる結構長期間のプログラムとなっています。

この期間は中心となる製品である
ミラミン、ミラミックス、トレチノインの容量と使用量によって
調整されることとなります。

ミラミンは1日2回の全顔への外用で、1本で約2.5ヶ月持つ容量。
ミラミックスは1日1回夜に全顔に、トレチノインと混ぜて
使用しますが約5ヶ月持つ容量です。

当院のトレチノインは0.025%、0.05%、0.1%ともに1本20gで
使用量は個人差が大きいのですが、平均すると1日1回夜に
ミラミックスと混ぜての使用で約1.5ヶ月持つ目安です。

最短となる3ヶ月のコースでは、ミラミン1本を2.5ヶ月で
終了後はミラミックスをミラミンのかわりに1日2回使用します。

そのため約3ヶ月程度となります。トレチノインは2本程度の使用です。
トレチノインとミラミックスの残量をみてミラミックスの
外用を夜1回などと調整可能です。

最長となる5ヶ月のコースではミラミンを2本使用して
5ヶ月となります。
トレチノインの使用量は約3~4本となります。
私は5ヶ月のコースを選択しました。

少しでもゼオ・セラピューティックを開始される方の参考に
なればと思い、日記の一部を公開します。
特に多くの方が気にされるのが初期の1~2ヶ月の
刺激症状ですし、そこを調節して乗り越えることが
出来れば後は楽勝という方が大半です。

2ヶ月後移行も顔は全体的に赤くて、口囲などどこかしらが
軽度がさついたりはしていますが、許容範囲と感じられる方が
多いのではないかと思います。

ゼオスキンヘルス体験日記:20201026

10月26日(月):開始

使用:トナー・ミラミン・ミラミックス・トレチノイン

ミラミックス:トレチノイン0.025%=1:1/4~1/3開始
ミラミンの白さと一回使用量の多さにびっくり。
白さがなくなるまで塗り広げる。

トレチノイン混合は最初は眼と口周囲は避けて外用
頬骨付近から塗り広げる
いつもの癖で首などに塗り広げないように注意
*数日後から薄く使用開始予定

10月29日(木曜):4日目

赤みが出現
少し皮膚表面にこわばり感あり。
来る!という予感。

例えるなら、日焼けして痛みが引いた後の、
皮が剥け始める直前の感じでしょうか?

私は10年以上トレチノインの使用を
していなかったので、少し昔の経験を思い出しました。

ミラミックス:トレチノイン=1:1/4~1/3継続
目分量なので、少なくとも1/2程度までにとどめる。

10月30日(金曜):5日目

赤みが増強
皮膚表面に軽度のざらつきが感じられる
トナーが少ししみ始める。

11月1日(土):1週間目

横浜院のスタッフから赤み、がさつきを指摘される。
皮剥けが目でわかる程度となる。
手背に丘疹が出始める。

ミラミンの白さが気になり余りを手背に
つけていたからかも知れない。

顔は以前からグリコール酸配合の美肌菌ローションを
連日、時にもう少し高濃度でピーリングはしていた
のでハイドロキノンの副反応としてしられる
自覚症状の少ない。
毛孔非一致の丘疹が手背にだけ出始めたのか?
様子を見よう。

11月2日(日)

皮剥けが顕著となってくる。
恐らく女性だったら化粧乗りが最悪な時期なのだろう。

11月4日(火)

皮剥けのピークが過ぎる。

11月5日(水)

使用量は未だ同じ程度。
皮が剥けた後の皮膚はすべすべ感が感じられる。
部分的に皮剥けは残る
ピーリングをした後のような皮膚表面の触感。
夜からはトレチノインの量を増やしてゆく(1/2を目安)
*以後、少しずつ1:1を目標に増やしてゆく予定

11月6日(金)

ほぼ皮剥けは落ち着いた状態。
もちろんしみたりもしない
赤みも目立たないが、一部左上眼瞼内側などに紅斑あり

また、数日前から何となくまぶたが腫れぼったいような
違和感が続いている。

実際に瞼を開ける時に重さや引っかかりを感じる。
眼・口周囲ならびに下顎から頸部上方まではすでに
トレチノインも外用(頬などよりは薄めを意識はしている)
しているが、明日からはまぶたはしばらく避けることにしよう。

また、外用のためか(あるいは髭剃りも相まって)
頸部に2個も圧痛を伴う紅色丘疹が出現。

11月7日(土)

ミラミックス:トレチノイン=1:1/2~3/4
トレチノインの増量

11月8日(日):2週間目

朝から再度肌がゴワゴワとしたように感じられ始めた。
また、昨夜もまぶたへの外用を避けようと決めていた
にも関わらず、勢いで外用してしまったためだろうか、
さらにまぶたの浮腫感というような違和感も増加している。

11月9日(月)

2週間が経過

ミラミックス:トレチノイン=1:3/4 
まぶたは外用なし
頸部は赤みとその下の肌の色の違いがくっきり。

11月10日(火)

ミラミックス:トレチノイン=1:1 
再度がさつきがでてきている

11月12日(木)

トレチノインを増量してきていたため、
がさつきがさらに顕著となる

手背の丘疹は平坦化してきている。
痒みなどの自覚症状は一切なかった。

11月15日(日)

赤みはあるが、少し落ち着く。
がさつきも軽減。
手背の丘疹は触ると感じられるくらいに軽減。

ミラミックス:トレチノイン=1:1 

11月18日(水):開始3週間目

赤みは軽減するも、残存。

がさつきはほぼ消失。でもバランサーは
まだ軽度しみる感じは残っている。

手背の皮疹は消失。
がさつきがなくなり、皮膚表面のツルッと
した感じが出てきている。

角質が薄くなってのすべすべ感としっとり感
を感じる。

UV撮影でみると少し全体にシミが薄くなり
色むらが減少してきたように感じられる。

ミラミックス:トレチノイン=1:1

11月23日(月):4週間経過

頬などの調子はいいが、まぶたへ外用量が
少し多いためか、少し腫れぼったく重い感じがあり。

11月25日(木)

肌の調子は非常によい。

特に手触りがすべすべ。よけいに老人性疣贅、
脂腺増殖症などの突起物が気になる。

この治療サイクルが終了すれば炭酸ガスレーザーで処理。

11月30日(月):5週間経過

ミラミックス:トレチノイン=1:1
でも刺激症状はなし。軽度の赤みは残存。

少しずつトレチノインの量を増量してゆこう。

12月7日(月):6週間経過

先週から
ミラミックス:トレチノイン=1:1.25~1.5

ひどくはないが、ずっと赤みは継続している。
よくみると、頬の下方などは鱗屑あり。
もうすぐトレチノインがなくなるので、
トレチノインは次回からは0.1%を使用予定。

12月14日(月):7週間経過

ミラミックス:トレチノイン0.1%=1:1に調整

再度赤みが増加しトナーや混合の外用時にしみる。

トレチノインは0.05%で開始して頂きますが、
刺激症状への不安が強い方も多いため0.025%を
用意しています。
最初はミラミックスとの配合は1:0.25を目安に
外用開始して頂きます。

私の症例同様数日後から赤みが出始め、次第に
がさつきが出てきます。

そのまま継続していると、赤みが増強してきますし、
何か皮むけが来そうな予感です。
スライドのトレチノインの量は間違いでこの時点で
ミラミックス:トレチノイン=1:0.5となっています。

やはり、予感的中でまたしても皮むけが目立ってきました。
スライドのトレチノインの量は間違いでこの時点では
ミラミックス:トレチノイン=1:0.5~0.75です。
続いては、肌診断機レビューでの変化を見てみましょう。

開始時の写真もすでに外用開始10日目ですので
赤みが出ています。
終了3.5ヶ月の写真と比べればわかります。

それもあってメラニン色素の変化がわかりにくいです。
だからこそ、紫外線撮影が有用です。

この紫外線撮影の写真を観るのはつらい。
小さな頃からの積み重ねの結果ですから
ごまかしようがない。

私も多少は各種レーザーなどで目立つ物
(老人性色素斑や老人性疣贅)は処理しているものの
それでは隠しきれない地肌、素地とでもいうような
状態が露わになります。

顔全体のメラニン色素の増加からは普段の紫外線対策が
不十分だと想像されます。

それでも3ヶ月の時点で肌が明るくなっているのがわかります!
もう一つわかるのは、終了後にメラニン色素の戻りが
出てくるということです。

3ヶ月の写真(中央)と終了後3.5ヶ月の写真(右)を
比べると差がおわかり頂けるかと思います。

通常撮影でみても、中央の顔の赤みが目立つ時は
わかりにくいですが、開始時(左)と終了後3.5ヶ月(右)の
写真を比べると、右の方が何となく肌が白く見えませんか?

開始時といっても実際には外用開始後10日の時点ですので、
多少の赤みが出ていますので分かりにくくなってしまっています。

外用治療開始前の写真と比べるとわかりやすいでしょうね。

是非ともゼオ・スキン・プログラムを始められる方は
最初の(開始前の)撮影をされることをお勧めします。

特に初めてこのプログラムに取り組まれる方、特に
刺激症状が強く出やすいセラピューティックの方は肌診断機
(当院ではレビュー)での撮影を開始前と再来時に比較して、
肌状態の改善を自分の目で確認することによって
つらい刺激症状を乗り越えておられる方も少なくありません。

一度体験してしまえば、最初と最後の撮影の比較で十分です。

お粗末様でした。
実際にセラピューティック・プログラムに取り組まれた方は
多くの方が私よりもはるかに大きな変化が得られています。

特に目立つ肝斑を有しておられる方などは変化がわかり
やすいように思われます。

それ以外では、目立つ老人性色素斑(日光性色素斑)に
対してレーザー治療を行って、痂皮が脱落した後に施術部位の
アフターケアを兼ねてセラピューティック・プログラムに
取り組まれた方はほぼ全員に高い満足感が得られていました。

目立つシミがレーザーで処理され、さらにその周辺の
予備軍や肝斑が改善して肌全体の色むらが少なくなる上、
角質が薄くなってケミカルピーリング後のような
すべすべ感まで得られるので非常に満足感が高いようです。

記憶に残っているのは、70歳台後半でこのプログラムを
終了されたときの言葉
「自分史上最高の肌になれました」です。

こうした言葉を聞くと、誰かにまたこのプログラムを
お勧めしたくなってしまいますよね。

後日、当院でゼオ・スキンのモニターになっていただけた
方々の経過についてご報告したいと思います。
私自身も十分満足です。

次は脂腺増殖症と口唇のFordyce spotsを炭酸ガスレーザー以外で
治療できないかと画策し、その企画がスタートしています。
当然ながら私にもたんまりとある症状です。

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~あわせてお読みください~
『ゼオスキン モニターの方の症例紹介』
『ゼオスキン(セラピューティック):反応期の刺激症状』

医療法人社団 精華会
ミルディス皮フ科 村上 義之